札幌市中央卸売市場のサクラマス消流は4月に入って函館、後志方面を中心に例年並みの入荷量で推移している。サイズは昨年より小さく、カネシメ髙橋水産株式会社、マルスイ札幌中央水産株式会社の両荷受とも「相場的にも量販店で扱いやすく、桜が咲く季節を見据え、引き合いが増えてきている」と口をそろえる。
オホーツク管内北部3単協(雄武、沙留、紋別漁協)の毛ガニ漁は、資源低下を背景に過去最低水準の薄漁に陥っている。3単協とも組成は大中が中心。一方、浜値は無い物高で高騰し、紋別漁協では9日に中サイズがキロ平均7498円の高値を付けた。
ホタテ冷凍貝柱を製造する海王食品株式会社(猿払村・太田俊章社長、電話01635・4・5026)の新加工場が竣工した。トンネル型のドーワコンテックフリーザーを導入し、新鮮な猿払産原貝を当日処理で仕上げる製造ラインが完成。広々とした造りは安全性と処理能力の向上につながった。対米HACCP仕様で整備されており、数年後の認証取得を目指す。
苫小牧漁協(伊藤信孝組合長)は3月からタイ・バンコクに鮮魚の定期輸出に乗り出した。双日・JALグループの㈱JALUXと連携し、同社の現地企業・JVALUEが運営する日本生鮮卸売市場「トンロー日本市場」に出荷。販路拡大で魚価安定につなげていく。
釧路市漁協のツブかご漁が4月上旬に始まった。序盤は水温が低いためツブの動きが鈍く、着業する近藤龍洋組合長は「水揚げ本番は暖かくなる6月に入ってから」と話す。
青森県陸奥湾で半成貝の水揚げが始まった。成育は全湾的に順調で特に西湾は大型の傾向。後潟漁協や青森市漁協奥内では10キロ当たり200枚以下の良型サイズ。ウロ取りボイルの平均歩留まりは過去10年平均より0.7ポイント高い23.5%となった。このため西湾中心に水揚げを早める漁業者が増えており、4月前半は前年同期よりも圧倒的に多い5720トンの上場が予定されている。
国内生産の9割以上を占める北海道のコンブは減産傾向が続いている。2018年度の格付実績が1万5161トンと前年度を14%上回ったものの往時に比べると半減。主要因の一つとして挙げられるのが着業者の減少で、各浜では生産増・後継者育成対策などに注力している。
羅臼漁協で定置網に従事する若手漁業者らが14日、羅臼町内のカフェ「Nо Bоrders Cafe」で、漁師のやりがいや魅力、漁業の将来などについて観光客らと膝を交え語り合うイベントを開く。旗振り役の田中英輔理事は「漁業者が観光客と語り合う交流イベントは羅臼で初めての試みでは」と意気込む。
高級だし昆布産地で有名な羅臼町で、コンブ漁に着業する天神幸吉さんや水産加工会社、宿泊施設の関係者ら有志で組織する「羅臼蓄養研究会」が1月30日の知床の日に発足し、だし以外にも用途を広げるコンブの生産に向けた試験研究をスタートさせた。
この試験研究は、羅臼漁協の協力を得て種苗から中間育成に至るまでのサイクルの構築を目指すもの。これまで未知だった「羅臼の食用コンブ」を広く流通させることで、新たな需要を掘り起こし羅臼昆布の利用可能性を探る。
同研究会代表の天神さんは知り合いのホテル料理長から「1年を通じて羅臼の昆布を使いたい」と相談されていた。数年前から流氷の影響を受けない形で陸上での中間育成を計画。
羅臼漁港の蓄養施設にある水槽5基で、オニコンブの早種と遅種の種苗糸を垂らし、発芽から中間育成で20~30センチ程度まで大きくして沖出しし、6月ごろに収穫するイメージを描いている。
昨年高騰した北海道産タコの製品相場は今年に入って例年並みに落ち着いてきている。搬入減などで品薄高値となったアフリカ産の消流鈍化、相場の反落が影響。本州の加工筋が在庫を抱えて生冷需要も後退し、消費地の価格形成は軟化。一方、道内産地に在庫はほとんどなく、浜先行の需給環境で春漁を迎える。