道漁連は、8月末時点での本年度道産コンブ生産見込みを1万2710トンとした。6月末に示したものから1000トン下方修正。2017年度実績の1万3260トンを下回り過去最低となる見通し。
昨年度実績比で16%減、過去10年平均(2009~18年度)と比べると23%下回る。
オホーツク海の建マス(カラフトマス)は記録的不漁となった。1999年以降続いていた奇数年豊漁・偶数年不漁の周期が入れ替わって今年は不漁年となるが、主産地・オホーツク管内が9月末現在で1200トン台と、平成以降最低だった一昨年をさらに下回り、昭和50年代の水準に落ち込んでいる。根室管内も昨年の2割と激減、宗谷管内は8割。浜値は昨年並みで、金額も昨年を大きく割り込んでいる。
終盤戦に入ったオホーツク海北部(宗谷、猿払村、頓別、枝幸漁協)の9月末水揚量は、漁場造成を含め11万9770トンとなった。計画達成率は86%。歩留まりは11~13%前後でアソートは2S・3Sまたは5S中心と二極化。浜値はキロ120円前後~170円前後と値幅が大きい。8~9月はシケにも悩まされたが、各組合とも順調な操業を続けている。
地域や漁業者個人によって独自の工夫が見られるタコいさり。約60年着業する利尻漁協の南保さんは、カニの疑似餌を取り付けたいさりでタコを誘う。漁解禁を前に、針の手入れなど準備を進めていた南さんに漁具漁法を聞いた。
鵡川漁協のシシャモ漁が1日に始まった。初水揚げは約2トン。低調だった昨年初日に比べ約17倍と順調な滑り出しとなったが、組成は小ぶり。同漁協は「まだ始まったばかり。昨年も2日目が約1.3トンで、今年が取り立てて多いわけではない」と話す。
噴火湾のエビかご漁が上向かない。9月のボタンエビ水揚量は落部・森・砂原の3単協合わせ44トン。前年同期の4割に落ち込んでいる。同月中旬以降、1隻日量100キロに届かず、大半が中1~2日操業。薄漁を映し浜値は堅調だ。
【シドニー=鈴木亮平】(株)丸善納谷商店(函館市、納谷英雄社長)は10月、オーストラリアへ道産昆布の輸出を開始する。道立工業技術センター(函館市)と共同開発した新技術によって、同国が2010年に定めた厳しいヨウ素規制値をクリアした乾燥昆布で、日本産昆布の本格流通は約10年ぶり。9月中旬にシドニーで開かれた食品輸出商談会に出展、市場性を探るとともにうま味や活用法を紹介し手応えをつかんだ。道産昆布の新市場開拓・普及に向けて新たな一歩を踏み出す。
道東のサンマ漁は、依然として上向く兆しが見えず厳しい操業を強いられている。漁業情報サービスセンター道東出張所の集計によると、9月20日現在の道東4港(花咲、浜中、厚岸、釧路)の数量(発泡除く)は前年同期比83%減の3220トン、1隻当たりで62%減の9.7トンと低迷。魚体も小型のままで、量販店は販売に苦戦している。
北海道の秋サケ定置は一昨年、昨年に続いて9月漁は低調。温帯低気圧通過後日量ペースが上がり、盛り返しが注目される。一方、浜値はメスが根室海峡でキロ800円台と高値水準ながら、千円台に上昇した昨年に比べ冷静な価格形成。札幌市の量販店では極度に不振のサンマやイカに上向く兆しが見えない中、秋サケが頼みの綱。10月の盛漁、価格安定に期待をつないでいる。