苫小牧漁協の夏ホッキけた引漁が好調だ。9月は日量ノルマをクリアするなど順調な操業が続いた。近隣の鵡川や白老で他漁種に切り替わり、価格も上向いている。
オホーツク海南部(雄武、沙留、紋別、湧別、佐呂間、常呂、網走、西網走漁協)の水揚量は、漁場造成を含め13万3630トン(8日時点)となった。計画達成率は85%。歩留まりは11%前後、アソートは常呂・佐呂間が3S、ほかは4S、5S中心。浜値は常呂・佐呂間がキロ100円台後半、ほかは100円台前半で推移している。
利尻漁協沓形地区の中辻清貴さんは、出身地の兵庫県から島に移住して漁業を学び、現在はコンブ養殖中心に営む。同じように、中辻さんの下ではプロボクサーや飲食、運送業から転じた島外出身者が製品作りなどに従事、重労働のコンブ生産を支えている。
枝幸町の株式会社オホーツク活魚(藤本信治社長、電話0163・62・4553)は、電子レンジ専用調理容器を活用した商品展開で北オホーツク産の消費拡大に乗り出した。10月から猿払産活ホタテで販売開始。家庭で手軽に「活蒸し」を味わうことができるコンセプトで、簡単調理など昨今の消費者ニーズに訴求していく。
北海道の秋サケは10月に入っても水揚げが伸び悩んで一昨年、昨年並みの低水準が続いている。浜値も下方修正され、金額は来遊量が低位となった2010年以降最低ペースで推移している。
鹿部漁協でホッケ刺網に着業する萬漁丸(3.9トン)の伊藤正さんは、カジカなど雑魚が掛からないようイセを強めず5割の仕立て。また「ホッケは鮮度落ちが早い」ため、投網から揚網まで3~4時間の日網操業を徹底。水揚量の減りを高鮮度出荷で補う。市場出荷後に作業場で漁具・漁法を聞いた。
砂原漁協のアカガレイ刺網は、春先から盛り上がりに欠ける低調な水揚げ。9月末で昨年の約4割減と伸び悩んでいる。最近は1隻日産100~200キロ。漁は終盤戦に入った。
利尻漁協沓形昆布養殖部会は、9月に秋田県で開かれた「第39回全国豊かな海づくり大会(同推進委員会など主催)の栽培漁業部門で大会会長賞を受賞。式典に出席した新濱秀一部会長は「大先輩の方々が研究、試行錯誤して確立した養殖技術。それを守り、次世代を担う若者につないでいきたい」と話す。
オホーツク・西部地区は全道的には伸び悩む中、昨年まで3年連続の減産基調を脱するペースで推移している。ただ、昨年が3割減の大幅減産で、今年も水準は低く、漁場間で明暗も分かれている。一方、浜値が下方修正され、金額の確保は単価の落ち込みを補う水揚げの伸びに委ねられている。
道南太平洋のスケソ刺網が1日開幕した。シケの影響なく、2日に初水揚げ。胆振は深み、渡島は浅みでそれぞれ群れが厚く順調な滑り出し。魚体も4~5年魚主体と大型で、両管内の着業者は初日の漁況に好感触。漁が切れず、卵の熟度が増す冬場も好漁が持続するかが今後の焦点となる。一方、増産を背景に浜値は昨年を割り込む形でスタートした。