オホーツク海北部の宗谷管内4単協(宗谷、猿払村、頓別、枝幸漁協)は、枝幸を除く3単協が本操業に入った。漁場造成を含む5月後半の水揚量は4単協合わせ2万トンを超えたが、昨年より4千~5千トン少ないペース。歩留まりは10%前後、アソートも上昇傾向とみられ、浜値はキロ100円台後半と堅調だ。宗谷、猿払村は日産300トン台を揚げている。
世界中で消費されているポピュラーな魚介類の一つエビ。市場は緩やかな成長が見込まれている。国内もコロナ禍による外食需要の減退、巣ごもり消費の伸びなど構造変化に対応しながら、バナメイなど輸入養殖物を主体に堅調。北海道産は2016年から減産基調で資源動向が懸念材料だが、刺身・すし種をはじめ各種料理素材で量販店や飲食店の集客商材として存在感を放っている。
枝幸漁協のミズダコ漁がいさり樽流しを中心に好調だ。5月中旬時点の水揚量は苦戦した昨年の4.6倍と大幅に伸長。サイズは4~12キロの中主体。好漁した2020年ほどではないものの、多い着業者は日量500~600キロを揚げており上々のスタートを切っている。一方浜値は輸入ダコ減少などが影響し、キロ900円前後と強含みの展開を見せている。
白糠漁協のタコ縄漁が5月23日に終漁した。ヤナギダコ主体に水揚げ。前年に比べ着業船が1隻少ないこともあり、累計数量は前年同期を4割下回ったものの、単価が5割高に高騰、金額の減少幅を1割弱にとどめた。
株式会社極洋(井上誠社長)は24日、道内の取引先で組織する北海道極洋会を札幌市で開き、中期経営計画(2021~23年度)の中間年となる今期の事業方針を説明した。前期の増収増益に貢献した水産商事、鰹鮪の拡充・強化、コロナ禍の影響で足踏みとなった食品、海外の巻き返しを図り、高収益構造への転換を着実に進めていく。
海水温の上昇など海洋環境の変化を受け、スルメイカなど天然回遊魚の水揚げが伸び悩む北海道日本海沿岸。安定的で持続的な漁業生産体制の構築を目指し、トラウトサーモン(ニジマス)養殖を推進する動きがひやま漁協管内を中心に活発化している。現状は自治体と漁業者が連携し、試験段階で実施しているが、水揚げ3期目を迎えた八雲町熊石では生産実績を積み重ね、事業化も視野に入れている。さらにせたな町大成区では初水揚げ。生産性や採算性などクリアしなくてはならない課題を抱えているが、道産養殖サーモンのブランド確立による苦境打開への挑戦が拡大している。
トーサムポロ沼で行う歯舞漁協のアサリ手掘漁は、今季も着業する全12人が個人ノルマを達成して終漁した。加えて浜値も高く推移。長山吉博アサリ部会長は「金額的に過去最高に達した」と笑顔を見せる。また「漁場に流氷が入り操業できない日もあったが、高値傾向だったので可能な限り操業し、氷の隙間を縫うようにして水揚げした」と今季の操業を振り返る。
枝幸町の枝幸海産株式会社(松嶋修一社長、電話0163・62・1122)は、ホタテ玉冷の内製体制を整備した。従来実施してきた枝幸水産加工業協同組合運営の共同利用施設での凍結・選別処理と併用し、今季から玉冷の生産を拡充強化。顧客の注文に応じ迅速に供給することで経営安定につなげていく。
北大と道漁連は16日、水産業の振興に向けた連携協定を締結した。主要魚種の不振、昨年に太平洋沿岸で発生した赤潮被害など北海道水産業を取り巻く環境変化への対応をはじめ、AI・IoTなど先進技術の活用や新たな養殖システム、ゼロカーボン対策、加工流通の省力化などさまざな課題の解決に取り組んでいく。
後志以北の日本海沿岸ニシンは、道の集計によると、5月10日現在で前年同期比60%増の5157トンを記録し、1996年に種苗放流事業を開始して以降初めて5千トンを突破した。4月以降は留萌管内の漁獲量がけん引している。