枝幸町の株式会社オホーツク活魚(藤本隆治社長)は今季の秋サケ商戦からフレーク窒素氷を使った生鮮の高鮮度出荷に乗り出している。細胞が凍る寸前のマイナス1~3度の氷温帯で保冷。船上で活じめした高品質そのままで消費地に届けている。
札幌市の”魚鬼”(いとう)COMPANY(伊藤和雄代表、電話011・788・7337)は、ホッケやサバなど開き魚の血合いを水道水圧(直圧)で取り除く「水ノズル血合い洗浄機(水ジェッター)」を開発、販売している。迅速、きれいに血合いを洗浄・除去でき、魚嫌いの一因に挙げられる生臭みのない干物づくりを後押しする。
ホヤのビール「海鞘エール」=写真=が好調な売れ行きだ。宮城県南三陸町の㈱ヤマウチ(山内正文社長、電話0226・46・4976)が8月25日に販売開始、同月末までに1000本を超えた。岩手県の地ビールメーカーが製造過程で志津川湾産マボヤの煮汁などを加えて生産。ホヤのように赤く、「ほのかにホヤの味がする」と評判だ。
中国への原料輸出は今季、低調な荷動きが予想されている。欧米の販売不振、国内の景気減速などで中国の秋サケ加工業者は原料手当てに慎重。日本国内向けの供給増が見込まれる中、国内の鮭鱒相場も昨年より下方修正され、チリ銀などとの競合で売り場獲得の価格形成が焦点になる。
中国の秋サケ加工業者は震災年の平成23年に鮭鱒全般の原料高と欧米の経済低迷でサケ製品の販売不振に陥り「サケ事業で貯めた10年分の利益を吐き出す欠損を出した」と輸出業者。「以降原料の買い付けが年を追うごとに慎重になっていった」と指摘する。
東しゃこたん漁協でエビかご漁に着業している第27長洋丸(19トン)の茂木隆文船主は、一昨年から東京・築地市場にナンバンエビを出荷している。翌朝の競りに間に合うように、他船より2~3時間早く入港。選別を徹底しながら、手早く荷造りしている。
日本昆布協会(会長・田村満則ヒロコンフーズ株式会社社長)の第2回昆布産地見学交流会は、えりもでミツイシ、南かやべでマコンブの生産現場を視察、6日間にわたる研修は幕を下ろした。主産地を巡り、参加者は「生産現場を見て漁業者の話をじかに聞くことで見識が深まり、視野も広がった。この経験を商売に生かしたい」と充実感あふれる表情を見せた。
数の子など魚卵加工大手・株式会社加藤水産(留萌市、加藤泰敬社長)グループの株式会社エーシーエス(加藤貴章社長)は、増毛町の阿分工場敷地内に「ACSロジスティクス冷蔵庫」の新設を進めている。環境負荷軽減や省エネに向け、二酸化炭素とアンモニアの自然冷媒を使用したノンフロン型の冷却方式を採用。庫腹は4700トン。来年2~3月に稼働を開始する予定だ。
初山別村の梅澤商店(梅澤安男代表、電話0164・68・1215)は、羽幌産活甘エビでつくる丸干し=写真=が看板商品。8年ほど前に開発し、口コミで評判が広がった。昨年夏には研究を重ねてきた内臓の除去製法を確立。道産食品のトップブランド「北のハイグレード食品+(プラス)2015」に選ばれ、販路が広がっている。
稚内からスタートし羅臼を回った日本昆布協会(会長・田村満則ヒロコンフーズ株式会社社長)の第2回北海道昆布産地見学交流会は5、6の両日、ナガやアツバの主産地である道東を訪問した。歯舞で生産現場、浜中ではエックス線異物検出装置や自動重量選別機を視察。釧路5単協の各専務と意見交換も実施した。
今季の秋サケ商戦を展望する全国大手荷受・荷主取引懇談会が4日、札幌市のロイトン札幌で開かれた。北米産ベニザケの豊漁など世界的な鮭鱒生産動向を留意点に意見交換。親製品は中国・加工業者の経営難など輸出環境が厳しく、国内向け冷凍の消流安定策を探った。いくらはマス卵の搬入増が想定され、慎重な価格形成が課題に挙がった。