広尾漁協青年部(辻田基樹部長)は未利用資源のスナエビ(アムールジャコエビ)の活用に乗り出した。スナエビはエビ特有の濃厚な風味が特長。商品化第1弾で帯広市のパン製造販売・㈱満寿屋商店と開発したピザやパンなどを1月末に帯広市内2店舗で販売を始める。
サバやイワシ、タコを主力に扱う株式会社津久勝(茨城県神栖市波崎)は昨年11月、ニッコー(本社電話0154・52・7101)の海水シャーベット(以下、シルクアイス)を製氷する『海氷』(10トン/日)を導入した。
総菜メーカーの株式会社ヤマザキ(静岡県)は今年、福島吉岡漁協と福島町と連携し養殖(促成)間引きコンブの製品化に乗り出す。2月に町内に新会社を設立、今春収穫する間引きコンブを生ベースで約100トン仕入れ、浅炊きなどの総菜に加工、全国に発信していく。
「漁師の手づくりいくら」など6次産業化に取り組む銭亀沢漁協の柴田梅彦さんは昨年、消費者の少量志向に即した食べ切りサイズの「ハートいくら」を新たに作った。
青森県の青森地方水産業改良普及所は三厩、竜飛今別の両漁協で水揚げされる本マグロ(クロマグロ)の脂乗りを測定している。同県の代表ブランド大間産の価格に近づける狙いだ。年末までに394尾が東京・築地市場などに送られ「目利きの評価と合っている。十分使えそうだ」と手応え。素脂肪率という科学的データをアピールしての出荷を視野に入れる。
えりも町の株式会社マルデン(傳法貴司社長)は、日高のブランド秋サケ「銀聖」を使った定塩生食フィレーを開発した。オリーブオイルに漬け込みうま味を凝縮。輸入養殖物が台頭する洋食需要にも対応した新商品で、北海道産秋サケの新たな市場開拓を目指す。4月ごろ発売予定。16日に札幌市のホテルオークラ札幌で発表会を開き、取引先などにお披露目した。
青森県深浦町の風合瀬漁協女性部加工部会はギバサ(アカモク)しょうゆ漬けの生産、販売を始めて4年になる。「少しでも付加価値を上げたい」(山本裕行美=ゆきみ・次期会長)と漁協から原藻を買い取る。同町の特産品に認定され売れ行きは安定、年5000パックほどの人気を誇る。
いぶり噴火湾漁協・有珠地区の中野龍一・智子(のりこ)夫妻(中野水産)は、独自に編み出した道具を駆使して海藻を採取し、未利用資源を活用したのりつくだ煮の製品化にも取り組んでいる。新製品は味、食感にこだわった逸品。昨年から販売開始し評判も上々だ。一方、海藻の採り方を若手漁業者にも伝授。浜の名産を後生へと引き継いでいる。
新ひだか町三石港町のみついし昆布株式会社(磯貝節社長、電話0146・33・2006)は、日高産ミツイシコンブを使った「日高昆布万能ドレッシング」=写真=を商品化、昨年7月に販売を開始した。日高産だけを原料に各種昆布商品を製造してきたが、調味料は初めて。商品名通りサラダのほか、パスタ、ギョーザ、冷奴など用途は多様で好評を得ている。
岩内町の株式会社野澤商店(野澤幸平社長、電話0135・62・0249)は昨年来、日常の食卓に上る数の子商品の開発に取り組んでいる。昨年加工機器を新規導入。道加工連が制定した5月5日の「かずの子の日」と連動、リン脂質など機能性も生かした新商品を打ち出し、数の子の消費を盛り上げていく構えだ。