神奈川県三浦半島の食の魅力を伝える「猿島海畑活性化研究会」による猿島ワカメの新芽収穫と販売が、10日に始まった。
猿島は、同県横須賀市にある無人島。東京湾最大の自然島で、島の大半を猿島公園として、市が整備している。
北海道沿岸では主力魚種の水揚げが減少傾向の一方、従来見慣れなかった南方系の魚が獲れている。市場流通にあまり乗らない未・低利用魚と併せて末端で食材に利用できる埋もれた資源も少なくない。小売店、飲食店の“珍魚”活用例を紹介する。
活じめなど鮮魚の差別化出荷が全道各地に広がる中、産地や魚種などの拡大と併せて、販促物のタグやステッカーも多種多様なデザインが登場。生産者や産地仲買が買い手の目を引くように絵柄や形状など工夫を凝らしている。
例えば形状では長方形、円形、ひし型が中心だが船、地形を模した形状もある。多数のタグ付きの鮮魚が並ぶ札幌市中央卸売市場の売り場を見流しても目を引く。
移転延期など何かと話題になった築地市場だが、東京都の中央卸売市場はそこだけではない。大田区東海にある大田市場は、取引量こそ築地に座を譲るが、個性的な仲卸が顔をそろえ、日々商いに精を出している。築地市場の豊洲への移転を見越し、大田市場と取り引きを検討する事業者も少なくない。仲卸には地元勢のほか、道内関係者も参入。IT関連会社も加わるなど、その個性をいっそう際立たせている。
魚槽の投入氷など秋サケの冷却でも活用されているシャーベット氷。定置業者は魚体を隙間なく包み込む微細氷で水揚げ直後に「氷じめ」し、高鮮度出荷に努めている。道立工業技術センター、室蘭漁協などの研究グループは、従来科学的情報が乏しかったシャーベット氷冷却後の魚体品質を検証。鮮度、衛生指標をもとに「初期冷却」の効果を明らかにした。
東日本大震災で大きな被害を受けた三陸沿岸の水産加工場の大部分は国の補助金などを受けて復旧しつつあるが、従来の販路回復に苦闘している企業は少なくない。そこで既存路線とは異なる新業態に着手し、販路の獲得に乗り出す事業者も出てきている。眠っていた資源の有効活用や、主力商品でも難しかった加工形態に挑戦するなど新たな一歩を踏み出している。
DHA、EPA、アスタキサンチン……。水産物が持つ「健康栄養素」を“見える化”できる食品機能性表示制度。北海道の独自制度が平成25年に、消費者庁の第3の制度も27年に始まったが、水産品の流通は乳製品や飲料など他食品と比べてまだ発展途上。健康食品市場の伸長が見込まれる中、魚食普及への波及効果と併せて表示食品の拡大が注目される。
昨年7月に北海道に初進出した水産物卸・小売大手の中島水産㈱(東京都、中島明社長)は、札幌店で札幌市民の新たな需要を開拓しながら販売を伸ばしている。築地直送の強みを生かし、札幌市内では珍しい魚種でも調理しやすく簡便性を高めた商品を提供、好評を得ている。
コンブ・海藻問屋の京浜海藻株式会社(東京都大田区)は9~11日の3日間、毎年恒例の年末大売り出しを同社前で開いた。今年で33回目。近隣住民を中心に多くの人でにぎわいを見せた。
釧路市漁協(近藤龍洋組合長)が釧路港に建設を進めていた貯氷・氷供給施設が完成した。サンマ、イカ釣りなどに加え、近年釧路沖でサバ、マイワシの好漁が続き、入港船団が増加しており、最盛期の氷需要に対応できる供給体制を整備。待ち時間短縮など漁業者の利便性を高めるとともに、鮮度保持の強化で生鮮流通や加工原料の安定供給など付加価値向上につなげていく。来年7月ごろから本格稼働する予定。