宮城県水産加工品品評会が23日、石巻市水産総合振興センターで開かれ、最高位の農林水産大臣賞に末永海産株式会社(石巻市、末永寛太社長、電話0225・24・1519)の「帆立のリッチフレーク」が選ばれた。規格外などといった理由で流通経路から外れる県産ホタテを活用し、食品ロス削減につなげた点も評価された。県を代表する水産加工品として秋の農林水産祭に出品される。
福島町の有限会社ヤマキュウ西川水産(電話0139・47・2139)はスルメイカのとんび(口ばし)を有効活用した商品の開発・発信を続けている。湯せんの簡単調理で食べられる商品でギフト、自家需要、キャンプ向けなどターゲットに応じてパッケージも工夫。昨年は化学調味料不使用のパスタソースとから揚げもラインアップ。展示・商談会で目を引くディスプレーやロゴも考案しながら販売拡大に臨んでいる。
東京都・豊洲市場で1月後半から青森県鰺ケ沢町産ヤリイカの入荷が始まった。正月商戦の反動が落ち着きだす1月下旬に入り、販売の回復や子持ちの増加に期待がかかる。仲卸業者は「3年ほど前から卵の有無で選別が始まり売りやすくなった。現在はまだ子持ちの割合が低いものの、あと2週間ほどで子持ちのみの荷が見えてくる」と販売攻勢に意欲を見せる。
関連産業向けに乾燥機を展開する株式会社オカドラ(横浜市、金井正夫社長)は22日、エネルギー・インフラ・食品・環境分野で多角的な事業を展開する清本鉄工株式会社(宮崎県延岡市、清本邦夫社長)と資本技術提携を結んだ。オカドラが保有する優れた技術を次世代に継承させるもので、導入するユーザーにとっても利便性の向上が期待できる。同社は独自の乾燥技術を用いた魚粉製造プラントや食品残さなどの産業廃棄物処理施設などを幅広く手掛けており、提携を軌道に乗せることで利用する関連産業の発展に寄与したい考えだ。
株式会社ニッスイは23日、2024年春・夏の新商品・リニューアル品を発表した。3月1日から順次発売する(一部4月発売)。家庭用すり身製品では、いつでもどこでも手軽に食べられるバータイプの商品に新味を投入。練り製品市場が高年齢の世代で購入されているのに対し、若年層に受け入れられているバータイプを拡充することで、市場の拡大を図る。
ホタテ加工大手の株式会社マルイチ横浜(青森県野辺地町、横濵充俊社長)が、新たな収益の柱の育成を急ピッチで進めている。昨年11月、定塩加工技術に定評がある8株式会社ヤマヨ(八戸市、藤田和弘社長)と業務提携契約を締結。国内で近年、生産量が急増している養殖サーモンの調達を強化する方針だ。両社と、マルイチ横浜のグループ会社を合わせた来期の売上高は150億円に達する見込み。天然資源の減少や、中国による日本産水産物の全面禁輸の影響を受ける中、互いの強みを共有することで現状を打破し、会社の持続的発展につなげる。
東京都・豊洲市場の東北産ムール貝消流は固定客を持つ仲卸業者が定番で仕入れている。ただ、以前ほど安定した入荷が望めず、仲卸業者は頭を悩ませている。
卸値は青森県産や宮城県産がキロ800円ほど。「数量が多い年は宮城県産で400円の場合もあったが、最近は現在の価格で安定している」と説明。引き合いは「入荷すれば必ず買っていく客はいる。また、新規客には青森産は身入りが良いと説明している」と拡販に努めている。
東京都・豊洲市場のスルメイカ消流は、不漁による品不足から入荷量がまとまらず、相場が高騰している。1月上旬現在の最大サイズの5キロ15尾は箱単価で9千~8千円と、1尾当たり600円ほど。また、10尾は皆無で、サイズ面でも供給不足が生じている。各流通業者は「一般的に扱える相場からかけ離れている」と、仕入れには慎重。一方で仲卸業者は「ヤリイカやアオリイカなどに比べれば安く、それらの代替品としてなら割り切る人もいる」と話す。
留萌市の株式会社ヤマニ野口水産(小野寺正司社長、電話0164・42・1127)は、北海道産水産素材で新感覚の菓子を相次いで打ち出している。秋サケの塩とばを使ったせんべいと、マダラの身肉のみで仕立てたクッキーの2品。乾珍味など主力製品の加工副産物も有効活用。今年から土産品需要を中心に拡販を本格化していく。
画像認識や知能処理ソフトウエアなどを研究開発する株式会社トラスト・テクノロジー(東京都国立市、山本隆一郎社長、電話042・843・0316)は、AI画像処理によるアニサキス検知システムを開発した。魚の筋や骨、トレーに反応する“誤検知”を克服し、切り身をトレーに乗せたまま検査機を通過させれば瞬時にアニサキスの有無を見分けることができ、難しかった自動化を確立させた。生産現場の検査の負担を軽減できる画期的なシステムとなりそうだ。