鮮魚卸のかいせい物産(株)(東京都、宮﨑成人社長)は、東京・門前仲町に今年4月オープンした居酒屋「〇魚(まるっと)」で、愛媛県宇和島のブリやマダイを使った新メニューを始める。市場で買い手が付かない魚を活用する「もったいないプロジェクト」の理念がコンセプトの店。「食べないなんてもったいない」を前面に、宇和島の水産会社とタッグを組み、地元で愛される食材を消費地・東京で売り込む。
人手不足が叫ばれる水産加工業界で、省力化につながる機械化の動きが加速している。9月下旬に紋別市のマルカイチ水産(株)(片山裕一社長)が(株)ニッコー(釧路市)製ホタテ自動生むき機「オートシェラー」を導入した。片山社長は「将来的に4~5台で24時間態勢の稼働を目指し生産性を上げていきたい」と展望する。
経済産業省の「ものづくり補助金」に採択された。北海道では湧別漁協に続き2カ所目、民間企業としては初導入。「労働力確保に先行き不透明感があり、機械化できる部分でチャレンジした」という。
第8回「ロボット大賞」で、釧路市の株式会社ニッコー(佐藤厚社長)が開発したホタテ貝柱自動生むきロボット「オートシェラー」を中核とする水産加工システム「オートシェラー原貝自動供給システム」=写真=が中小・ベンチャー企業賞(中小企業庁長官賞)を受賞、17日に東京ビッグサイトで表彰された。
ジェトロ北海道は、在札幌オーストラリア領事館、道経済産業局と共同でオーストラリア・タスマニア州と、釧路・根室両管内を中心に北海道との水産加工産業交流を進めている。水産資源などが北海道と類似し、原料調達先や加工機器の販路、企業連携などの可能性に着目。11月には同国から視察団を招へいし、札幌市と釧路市で道内企業との情報・意見交換会を開催。新たなビジネス創出への契機につなげていく。
岡山市の衛生機材メーカーの株式会社エイチ・エス・ピー(山森哲夫社長、電話086・277・0888)が製造する「スーパー次亜水生成装置」が道内の水産加工業者の間で普及している。同装置は従来殺菌剤として使われてきた次亜塩素酸ナトリウムを中和させて弱酸性次亜塩素酸水溶液を生成。水素イオン指数(pH)や塩素濃度を微調整できるのが特長だ。また寒冷地仕様も開発して使用者の要望に応えている。
「輸出」に特化した食品展示商談会「日本の食品 輸出EXPO」(主催=リード・エグジビジョン・ジャパン株式会社)が10~12日、千葉市の幕張メッセで開かれた。ジェトロが共催、農林水産省が協力。昨年の第1回が好評なのを受けて第2回の開催。前回は出展者300社だったが、出展問い合わせが急増して今回は倍増の600社が参加。各ブースとも英語、中国語など外国語版カタログを用意して臨んだ。日本の食材を求めて来日した海外バイヤー4000人ほどと熱心な商談を繰り広げた。
イオンリテール株式会社は福島産水産物の取り扱いを拡大する。今年6月に首都圏のうち限定5店舗に設置した「福島鮮魚便」コーナーが好評なのを受け、19日から宮城県の店舗も加えて計8店舗に広げた。さらなる消費の拡大を進める。
斜里第一、ウトロの両漁協は、秋サケ定置で混獲されるブリの船上活じめ出荷に取り組んでいる。両漁協は2017年から連携し、春定置のトキサケを皮切りに統一規格出荷でブランド化を推進。ブリは一部の定置業者が先行、タグや規格の統一は仲買をはじめ末端の評価など今後の進展次第になるが、斜里産の知名度や付加価値の向上へ地域ブランドの確立を発展させている。
スモークサーモンなどを手掛ける札幌市の丸高水産株式会社(田名部實社長、電話011・676・3758)は、北海道産の刺身商材の製造・販売に力を入れている。最新の冷凍技術「3D冷凍」を基盤に、生魚から加工するワンフローズンに特化。委託加工に加え、「瞬造(しゅんぞう)くん」と名付けた自社商品も打ち出し、外食チェーンなどの販路を獲得している。
札幌中央水産株式会社(武藤修社長)は昨年来、北海道産に特化した焼成済みの焼魚シリーズを商品展開している。ガス置換包装で、焼きたての品質を長期間保持。国内の簡便・即食、個食需要に加え、中国など海外市場にも売り込んでいく。