道ほたて漁業振興協会(髙桑康文会長)は、コロナ禍による国内外の先行きが不透明な状況下、国内販売を主軸とした消費機会の増加に向け積極的な流通・消費喚起対策を展開。物流コストを支援し販売エリア拡大を目指す。海外輸出はアジア圏を主体に品質訴求による販売を進める。
オホーツク海沿岸の本操業は、6月に入り南部8単協(雄武・沙留・紋別・湧別・佐呂間・常呂・網走・西網走漁協)が全てそろった。紋別、湧別は日産250トン前後で開始。各浜で歩留まりが13%程度まで上昇。漁場造成でも大型組成がキロ100円台を付けたため、今後のアソートに期待が膨らんでいる。
紋別市のマルカイチ水産株式会社(片山裕一社長、電話0158・24・1234)は3月に総工費約8億円をかけ既存工場を増改築の上、ホタテ自動貝むき機「オートシェラー」(株式会社ニッコー製)を2台増設した。4月のテスト期間を経て5月の連休明けから3台態勢による本格稼働を開始。5月28日には報道関係者に公開、オホーツク産ホタテの品質向上に自信を示した。
オホーツク海北部の宗谷管内4単協(宗谷、猿払村、頓別、枝幸漁協)は、宗谷、猿払村、頓別の3単協が本操業に入った。漁場造成を含む5月末水揚量は2万6770トン。前年同期より約7千トン少ない。歩留まりは10%前後まで上昇し、アソートは4Sまたは3S中心。5月前半の値決めはキロ150円前後と堅調だ。宗谷、猿払村は日産400トンを見込む。
青森県漁連は2021年度内に、養殖ホタテのマリン・エコラベル・ジャパン(MEL)認証の取得を計画している。資源・生態系の保護など環境に配慮した生産団体としての認証取得に向け、年内に申請する予定。国際的な信頼性を高め国内外流通の維持・拡大を目指す。
ザブトンかごから取り出す半成貝(5月11日、奥内漁港)
青森県陸奥湾で半成貝の水揚げが最盛期に入った。今年の成育はやや小ぶりで、へい死が見られる地区もあることから、全体計画は減産見通し。5月11~27日の上場数量は西湾中心に9120トン。外ケ浜漁協蟹田、蓬田村漁協、平内町漁協小湊は同期間中に千トンを予定している。
オホーツク海沿岸の漁場造成は、おおむね順調に進み、4月末水揚量は前年並みの3万1400トンとなった。例年より低い歩留まりは7~8%と上昇傾向で、関係者はさらなる向上に期待を寄せる。一方、3単協が今年の本操業海区でも水揚げを開始した。漁場造成と並行している宗谷は日産250~300トン、同じく猿払村は200トン前後、本格操業に移った網走は100トン。他漁協も5月中旬以降順次スタートする。
渡島噴火湾では6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)とも耳づり作業の最盛期に入った。地区や産地によって成育状況は異なるものの、大半の着業者は「変形貝が少なく昨年より成長している」と好感触。5月中の終了を見込んでいる。
網走漁協のホタテ稚貝養殖船「第十八翔由丸」(15トン、アルミ)がこのほど竣工、4月14日に母港・網走港でその雄姿を披露した。操作性・安全性の向上はもとより稚貝出荷作業の効率化を重視。船主のほたて養殖部会副部会長・田口公司さんは「希望通りの船体に仕上がった。前船より大型化し安定性も増している」と大満足。5月末に始まる稚貝の出荷作業で本格デビューする。
昨年12月1日施行の改正漁業法に伴い、オホーツク海沿岸(宗谷、オホーツク、根室海峡)でホタテを漁獲する小型機船底びき網漁業の漁船規模が、従来の15トン未満から20トン未満に引き上げられた。これを受け、新船に順次更新中の常呂漁協が2隻を適用。このほど第八十一ところ丸がオホーツク初の20トン未満船として進水・回航した。