仙台市青葉区のミライトス(株)(鈴木圭介社長、電話022・393・5836)は、宮城県内で作られた水産加工品などをセットにして市内に宅配する事業を開始した。地元の商品と消費者をつなぐ思いを込めて「かけ*はし商店」と命名。区内で経営する「綴(つづり)cafe」を拠点に、運送会社の㈱ソウルロジス(同市若林区)と連携して行っている。カフェ経営のほか、加工会社のホームページ制作や商品パッケージデザインなども手掛ける同社。新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込む取引先も多い中、鈴木社長は「販路確保のお手伝いをしたい。地元の人たちが県産品の魅力に気づくきっかけにもなれば」と意気込む。
宮城県が取り組む、高級魚ホシガレイの「作り育てる資源管理型漁業」事業が成果を上げている。県内の2019年の漁獲量は10年前に比べ、約4倍の21トンに増加。キロ平均単価は3934円の高値を記録し、不振が続く漁船漁業の支えになっている。漁業者らによる中間育成事業は3年目を迎えた。今季の稚魚放流は6月下旬に始まる予定。
宮城県産養殖ギンザケは水揚げが日産100トンペースとなり、間もなく盛漁期を迎える。チリ産ギンザケの相場下落に新型コロナウイルス感染拡大が重なり、シーズン序盤から前年を下回る安値傾向が続く。成育は順調で、活じめブランド「みやぎサーモン」は通販出荷が伸長。水揚げは7月下旬ごろまでの計画。
宮城県石巻市雄勝町水浜の(株)海遊(伊藤浩光社長、電話0225・25・6851)は、新型コロナウイルスの感染リスクを減らす「新しい生活様式」に合った営業形態を模索している。自社便を使い、5月に始めた海産物や加工品の宅配サービス「うみでり」は好調な出足。インターネット通販などにも力を入れ、コロナ禍の苦境をチャンスに変えていく考えだ。
生ウニの加工販売などを手掛ける(株)マルシチ水産(宮城県南三陸町歌津、髙橋七男社長、電話0226・36・2118)の工場長、髙橋栄樹(ひでき)さんは、磯焼け対策で駆除されたウニ(ムラサキウニ)の陸上畜養実験に取り組んでいる。磯焼け域のウニは身入りが乏しく、売り物にもならないが、配合飼料を使った畜養技術を確立し食材として販売できるめどを付けた。髙橋さんは「豊かな海を残したい。藻場を再生し、質の良い天然物を取り戻すきっかけ作りになれば」と気を吐く。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で販売が滞る地元水産加工会社を支援しようと、宮城県内の若手漁師らでつくる一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、本部・石巻市、阿部勝太代表、電話0225・98・7071)は「加工屋さんのおさかなアウトレット便」を始めた。加工会社で過去にインターンシップに参加した県内外の大学生7人が全面協力。冷凍殻付きカキや骨抜き加工した「金華さば」など、行き場を失った主に業務用食材を全国の消費者向けにインターネットで販売している。
岩手県大船渡市の海鮮割烹「活魚 すごう」は、地元産ツノナシオキアミ(イサダ)を使ったメニューや加工品の開発に力を入れている。岩手県の尽力により用途拡大が進むイサダだが、同店はその気運よりも前に未利用資源として早期から着目していた。開発品を軸にアレンジメニューなど活用促進を進めていく。
宮城県石巻市寄磯浜のマルキ遠藤(株)(遠藤仁志社長、電話0225・48・2333)は、味だけでなくパッケージデザインにこだわった加工品を次々と開発している。ワカメやホヤ、ホタテ、ウニなど前浜産を生かした製品はどれも、中身を的確に伝えるデザインセンスが光る。「YORIISO」ブランドを掲げ、視覚的に訴え、より魅力的に見せることで売上アップにつなげている。
宮城県女川町の水産加工2社、(株)鮮冷(石森洋悦社長、電話0225・25・5100)と(有)マルキチ阿部商店(阿部淳社長、電話0225・53・2505)は5月末、業務提携を結ぶ。製造ノウハウを共有し、原料調達や物流、営業面での協力関係を築く。
業務提携に向けた調印式は4月28日に行われた。具体的な提携内容は今後詰めるが、▽販路の共有▽設備の共有▽ノウハウの共有▽人的リソースの共有▽原材料の融通の5点を柱に、気候変動に伴う漁獲量減少や後継者不足、新型コロナウイルス感染問題などの苦境を乗り越えたい考え。
岩手県宮古市でトラウトサーモンの海面養殖試験が本格化している。4月24日、宮古漁協が宮古湾内で育てた活じめの500尾が市魚市場に初出荷され、キロ千円を最高値に平均760円の高値スタートとなった。ブランド名称は「宮古トラウトサーモン」に決定。7月末まで毎週千尾ペースで出荷される。秋サケなど主要魚種の不漁が続く中、宮古の新たな特産品としての成長に期待が集まる。