宮城県のコウナゴ(イカナゴの幼仔魚)が薄漁、高値の滑り出しとなっている。石巻市場では3~5日、火光利用敷網約40隻が1日20~30トンを水揚げ、3センチ前後の小さなサイズは大半がキロ1000円を超えた。漁場が日替わりで船は群れ探索に難航する。魚探反応は見られるといい、水温の上がるこれからに漁好転の期待がかかる。
三陸のイサダ漁は高騰が続き、過去にない展開となっている。漁好転で価格低下が予想された3月半ば以降も90円台~70円台後半を維持し、例年の倍値。在庫払底が伝えられていたレジャーの釣り餌向けの注文が持続している模様だ。ただ、漁は4月に入り、宮城県ではほぼ全船が1日の上限を水揚げして戻るのに対し、岩手県は不安定で明暗が分かれる。
宮城県の養殖ギンザケ水揚げが始まり、増加に向かう。今季の流通・価格形成環境は、サケ・マスマーケットの現状をみると例年にないほど期待できそうだ。ギンザケをはじめサケ一筋に業績を伸ばす株式会社行場商店(南三陸町)の髙橋正宜社長に聞いた。
株式会社カネカシーフーズ(宮城県気仙沼市)は主力のめかぶが好調に推移。モズクでも今年から東北で新形態をスタートさせようと元気なところを見せている。昨年の回顧と今後の展望を昆野直社長に聞いた。
岩手県産ワカメのボイル塩蔵が高騰した。3月27、28日の入札で、抜1は高値1万9002円、中心値1万8000~1万5000円、元葉は1万円超え主体、中芯は4000円台と軒並み上げた。売れ行き減退の心配が生産者からも強まっている。昨季と同様の展開だが、昨季に確保不足となった買受人が多い上、葉の肉入り向上も見込まれることから、過熱が危惧される。
陸奥湾半成貝の初回入札は、平均単価173円の高値でスタートした。水揚げは昨年より少なく噴火湾業者の引き合いも強い中で、減ることが確実視されているベビー製品の生産量や価格帯に注目が集まっている。
宮城県産ワカメはボイル塩蔵入札で続騰、高値となっているが、収穫本格化の外洋系漁場で収量の減る可能性がでてきた。ブツ(穴開き)が増えつつあり、心配が深まっている。刈り急いでの生出荷や、すでに厳しい漁場もあるという。収穫先行の内湾漁場と同じようで、十分に成長する前の刈り採りや未収穫による生産計画(原藻換算1万3500トン)割れも懸念される。
株式会社小知和冷凍建設八戸支店はこのほど、国内で初めてCO2を単一冷媒とする冷凍機「スーパーグリーン」(日本熱源システム株式会社製)をグループ企業の東北水産株式会社の冷蔵庫(庫腹千トン)に導入した。この実績により地元大手の島倉水産㈱から受注、今年2月に庫腹6000トンに納入。フロン規制により自然冷媒への流れが加速する中、アンモニアを使わない自然冷媒をいち早く取り入れた冷蔵庫が順調に稼働している。
岩手県は新年度、津波から漁船を避難させる漁協などのルール作りを支援する。養殖作業や操業中の船が予測される津波の高さや到達時間により、沖に逃げるか漁港に戻るか、近場の陸地に着け乗り捨てるかを判断できるようなルールを想定。東日本大震災の教訓を生かしていく。
新たな漁業資源・加工原料として関心が高まっているトビイカ。その加工利用方法を長年研究している青森県産業技術センター食品総合研究所の中村靖人水産食品開発部長は「品目で向き不向きはあるが、数量や価格などの条件が整えば代替原料の選択肢の一つになる」との見解を示した。