財務省の通関統計によると、2021年の食用干し昆布の輸出数量は前年比6%増の463トンとなった。11年以降は400~500トン台で推移している。キロ平均単価は近年上昇傾向で、21年は8%高の2010円だった。
東京・豊洲市場のボタンエビの消流は飲食店需要の落ち込みを背景に供給過多となり、弱含みの展開。人気が高く希少な100グラム前後の大型は高値キロ2万円、安値8千~7千円と安定しているものの、中心サイズの1尾40~50グラムは25日までの1万~4千円から28日は5千~4千円に値崩れ。日本海側から集荷する荷受は「これまで価格を維持できたのは量が少なかったから」と話す。
母船式捕鯨の共同船舶株式会社(所英樹社長)は2024年度末までに新母船の償却(5億円以上)を負担した上で黒字化し、経営の完全自立を目指す。クジラの部位ごとに販促を練り、新しい規格や料理レシピを研究している。鯨肉の販売業者や加工業者がより扱いやすくするため、卸価格の抑制や加工度の向上に注力する。
株式会社極洋は、国産陸上養殖のアトランティックサーモンの販売について伊藤忠商事株式会社と合意した。陸上養殖会社「ピュア・サーモン」グループの日本法人ソウルオブジャパン株式会社(東京都、エロル・エメド社長)が三重県津市に建設中の世界最大級の閉鎖循環式陸上養殖施設で生産されるもので、年産約1万トン(ラウンドベース)を同社と伊藤忠商事グループの両社で2025年から販売する。
東京・豊洲市場の消流は1月中旬からオミクロン株による新型コロナウイルス感染症の急拡大の影響で、外食・輸出向け商材が再び引き合いが弱まっている。21日には東京都に「まん延防止等重点措置」が適用され、飲食店の営業時間短縮が織り込まれたため、荷受や仲卸は飲食店の需要商材がさらに落ち込む事態を懸念している。
水産業の主に技術面に携わる民間団体が結集し、「海洋水産技術協議会(仮称)」を近く正式に立ち上げることが明らかになった。現在、賛同者を呼び掛けている。気候変動などで漁場環境が著しく変化する中、その問題解決に役立てるための技術面も複雑化。各団体が協力し現状の問題点を洗い出すことで、より確実な現場への浸透を図る。また、国に対する要請で複数団体の声を反映したものとして提言力を高める。
小倉屋株式会社(大阪市、池上時治郎社長、電話06・6211・0012)が昨年発売した「をぐら屋こんぶご飯」は、同社の高級塩昆布「冨貴(ふうき)」とアルファ化米を使った商品。水かお湯を注いで待つだけと簡便性が高く、非常食やアウトドア、テレワーク、旅行などに最適で、新たな塩昆布の食べ方として提案する。
東京都の鮮魚店・北海道すなお水産(文京区本郷、電話03・5615・9706)は、開業した5年前から順調に売り上げを伸ばしている人気店だ。特に浜から取り寄せる商材は「一生懸命に付加価値を高めることに励んでいる生産者のものを選んでいる」と直接顔を合わさなければ見えてこない産地視察を重要視。店頭でもその努力を価格に乗せて販売している。
阪和興業株式会社は、株式会社ゼネラル・オイスターが実施予定の第三者割当増資のうち、11万2千株(出資比率2.8%)を引き受ける合意を含む資本業務提携契約を締結した。商社である阪和興業が持つネットワーク力と、カキの種苗、生産、加工、販売に着手しているゼネラル・オイスターの力を融合させ、安全を軸とした高品質な6次産業化を実現し、新たな価値を創出させる。
日本政策金融公庫が2008年度に創設した水産業経営アドバイザー制度。漁業経営改善支援資金や水産加工資金など融資の活用をはじめ、水産業経営に対する支援機能を担う。昨年3月に試験に合格した札幌市の弁護士、長友隆典氏(弁護士法人T&N 長友国際法律事務所・電話011・614・2131)は水産庁出身。水産関連の法令・契約にたけたスキルを生かし「最適な経営改善策を一緒に考えていく」と話す。