磯焼けの原因とされ、駆除対象となるキタムラサキウニに廃棄されるパプリカの葉を与えると、しっかりと身が付き、天然物と遜色ない品質になる―。そんな蓄養(養殖)技術を宮城大食産業学群の片山亜優准教授(水産学)らの研究チームが開発した。健康の維持・増進に役立つ機能性成分が付加され、塩蔵ワカメを餌にしたウニより色や味が良くなることも発見。低コストで採算が取れる陸上養殖の実現にまた一歩近づいた。早期の事業化を目指す。
東京都・豊洲市場の活じめアイナメ消流は卸値がキロ2千円前後まで上昇している。活魚が高騰しているのに加えて、シケ絡みで品薄になっているため供給量がタイト。仲卸業者は「大相場が高過ぎる。生食で提供する飲食店からの注文で仕入れているだけ。加熱商材で出す店に納品するのは難しい」と価格変動を注視している。
漬け物やそばの具材などに利用される伝統食品の身欠きニシン。特に日本海・後志管内では水産加工の主力商品の一つだが、近年消費が低迷し、生産量や製造業者も減少している。道総研中央水産試験場は需要拡大に向け、風味改良技術を研究。製造中に増加し、風味に関与する有用菌を特定、人為的に添加することで風味を向上させる製造法を開発した。
イオンリテール株式会社南関東カンパニーは、宮城県石巻市の取引先と連携し、水産品の鮮度向上に向けた新たなバリューチェーンを構築する。10日から、漁獲から店頭販売まで一度も冷凍しない蒸しだこ(ミズダコ)=写真=を関東・山梨エリアの「イオン」「イオンスタイル」125店舗で販売する。震災で途切れた販路の回復と拡大の一端を担う。
マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)協議会(垣添直也会長)と責任ある漁業管理(RFM)認証プログラムのスキームオーナーであるサーティファイド・シーフード・コラボレーティブ(CSC、マーク・フィーナ理事長)は2月28日、東京都内で会見を開き、流通加工段階(CoC)認証規格や審査制度などの相互承認に関する提携に向けた協働作業を進めることを正式に合意したと発表した。両者の協働で、日本発の水産エコラベルであるMEL認証の水産品の北米での販売機会拡大やMELそのものの信頼性アップなどさまざまな有用性に期待が高まる。
白糠漁協の定置漁業者、田森栄輝さんが代表を務める龍宝丸水産は、昨年11月で加工販売に取り組み10年の節目を迎えた。低利用魚の付加価値向上をコンセプトに製品づくりに注力。これまで原料高やコロナ禍による消費減退など困難にも直面したが、その都度ヒット商品を生み出すなどして苦境を打開。田森さんは「10年でやっと形になり向かうべき方向が明確になった」と強調。白糠産の認知度向上や魚食文化の継承も念頭に置き次の10年を見据えている。
青森県青森市に本社を構える鮮魚卸の株式会社さ印さんりく(阿部久会長)は2月以降、岩内郡漁協市場での仕入れを強化している。昨年10月に市場の買参権を取得。底建網で獲れるホッケ、マダラを主体に入札し、同社参入前の前年同期を大きく上回る価格を付ける。ホッケはキロ40円程度と倍以上の高値で仕入れ、本州の顧客先に流通させている。
利尻富士町は利尻漁協鴛泊地区の昆布養殖部会と連携し今年も「利尻昆布株主(オーナー制度)事業」を実施する。初めて行った昨年の好評を受け今年は株数を増やして募集。漁業者との交流を通した利尻昆布ファンの増加と魅力アップに努め、付加価値向上と消費拡大につなげていく。
洗浄機や乾燥機などコンブ関連機器を中心に製作販売する株式会社寺島商会(函館市、寺島達則社長)は今年4月で設立50周年を迎える。漁業者の声を参考に、作業の効率化や負担軽減、利便性などを追求した各種機器は、渡島管内中心に道内一円に普及、コンブ生産の機械化と品質安定化に寄与してきた。昨年10月には板金加工の精度向上を図るためレーザーマシンを導入、新製品開発なども視野に今後も漁業や地域社会に貢献する企業として躍進していく。
総務省の全国家計調査によると、昨年1年間の1世帯(2人以上)当たりホタテ年間購入量は前年比29%減の398グラムとなり、2年連続で減少した。支出額は同16%減の1033円、100グラム当たりの平均価格は同18%高の260円。円安基調を背景に海外需要が拡大し、平均価格は過去最高となった。国内での消費は大幅に減速している。