いぶり噴火湾漁協で加工貝(2年貝)の水揚げが終盤に入った。3月16日時点の累計水揚量は6076トン。下方修正した6360トン計画に対する達成率は95%となった。今季はへい死率の高い地区がある中で歩留まりも向上しており、同漁協では「当初計画の7930トンには届かないが最終的に7千トンは超えそう」とみている。一方浜値はキロ100円を割り80円前後まで暴落。東電補償の確定時期が未定のため、着業者は「当面の経営資金が賄えない」と先行きを不安視する。
海洋施工に定評のある小針土建株式会社(中標津町)の起重機船「第五こはり号」が完成した。根室管内最大の総荷重210トンを誇り、環境に配慮したクリーンエンジンなど最新鋭の設備を随所に搭載している。時代のニーズを捉え大型化した一方で小回りも利き機動性・作業性が大幅に向上。標津漁港を拠点に地元漁協との連携を図りながら、さまざまな水産土木工事を展開している。
宮城県漁協石巻地区支所でインターンシップ(就業体験)に参加した大学生2人が、持続可能なカキ養殖を国内外に証明する水産養殖管理協議会(ASC)の認証制度をポスターとチラシにまとめた。認証を取得しても価格に反映されにくく、制度に関心を示さない従事者も少なくない。海の自然環境や地域社会、労働環境に配慮した養殖業の意義を簡潔に伝える。
理研ビタミングループの理研食品株式会社(宮城県多賀城市、宮澤亨社長)と高知大は、緑藻ヒトエグサの陸上養殖を可能にする種苗生産技術を共同開発した。あおさのりの名称で流通するヒトエグサは天然、養殖物とも収量が減少傾向にある。今後は宮城、岩手両県に構える施設で、産業化に向けた実証試験を開始する。
小樽市の株式会社小樽海洋水産(松田亙社長、電話0134・33・6323)は、冷凍すし・海鮮丼の拡販に乗り出している。急速凍結技術「3D冷凍」の活用。カットケーキ・タルトに似せた“ばえる”商品も呼び水に開発した。ネット販売専用サイトや1月から市のふるさと納税返礼品で発信。ギフト向けの販路開拓も進めている。
積丹町、東しゃこたん漁協などで組織する積丹町地域活性化協議会(代表・馬場龍彦町商工会長)は、同漁協積丹支所余別地区で行っているウニ餌料用ホソメコンブ養殖施設の幹綱に着生するダルスを活用した特産品開発に取り組んでいる。現在はみそ汁や麺類など料理のアクセントにもなる乾燥タイプと地元旅館料理長監修レシピによるつくだ煮の2種類の試作を進行。年内にも町内の温泉施設や直売所で乾燥ダルス(1パック10グラム)などを販売することを目標としている。
政府は8日、太平洋クロマグロの大型魚のTAC報告時の個体管理や取引時の伝達・記録の義務付け、罰則の新設などの資源管理の強化を目的とした漁業法や水産流通適正化法(流適法)の一部改正案を閣議決定した。国際的にもTACによる厳格な資源管理が行われている中、国内において報告義務に違反した個体が流通する事案が発生し、管理の強化が急務と判断した。報告義務の確実な履行を図り、水産資源の持続的な利用の確保につなげる。
東京都・豊洲市場の青森県産メバル消流は、3月に入って引き合いが増えている。相場は昨年並みの高値で推移している。定期的に仕入れている仲卸業者は「3月上旬はシケで北海道と東北からの荷が少なかった。中旬に入って海が落ち着き入荷も増えている」とし「飲食店や量販店が季節商材としてメニューに組み込んでいる。例年通りに販売は伸びていくだろう」と予想する。
松前さくら漁協では、ナギの良い日に沿岸で岩ノリ漁が行われている。カギを使って手摘みし異物除去や裁断、成型、乾燥など手間をかけて製品化。着業者は「磯の風味豊か。甘味もあっておいしい」と自信を持つ。
湧別漁協のタコ箱が好調だ。オカ側中心にのし1本で600キロ前後、多い人は800キロ以上の水揚げ。浜値はキロ900円台と堅調。海明けと同時に揚げる「越冬ダコ」の好漁に、着業者はうれしい悲鳴を上げている。