水産庁は、スケソの太平洋系群と日本海北部系群の資源管理方針に関する第3回検討会を昨年12月22日に室蘭市、同23日に小樽市で開催。最大持続生産量(MSY)を指標とする新たな資源管理に基づく2021年漁期の漁獲シナリオ(TAC)案を漁業関係者に示した。太平洋系群は21年から3年間を17万トンで固定する案を選定。日本海北部系群は5年間を1万トンで固定するなど2案に絞った。意見公募を経て、1月の水産政策審議会資源管理分科会に諮問、決定される。
全さんまの集計によると、昨年(2020年)の全国サンマ水揚量(5~7月の公海操業分除く)は前年比27%減の2万9566トンとなり、前年の凶漁をさらに下回る過去最低の水揚げとなった。9月までの崩壊的な状況から10、11月は多少まとまる日も見られたが、群れが薄い上に船間格差も大きく、12月も精彩を欠き大半の船が同月中旬に操業を終えた。
昨年(2020年)の北海道の秋サケは、1571万8853尾、350億1317万5千円を水揚げした。尾数は平成以降最低だった前年(1522万尾)に比べて3.3%増と回復に乏しく、平成以降2番目に少なかった。魚価の上昇で金額は21.9%増となったが、2年連続の2千万尾割れで、300億円台の低水準にとどまった。
日高中央漁協浦河地区の刺網船第三十一高徳丸は6日、年明け後スケソを初水揚げ。漁獲量は7~8トンと、12月に比べて上向いた。船頭の髙城顕一さんは「このまま続いてくれれば」と期待する。
昨年12月中旬に高波による被害を受けた羅臼漁協。コンブ関係では番屋や乾燥施設が倒壊・損傷したほか、船も横転・破損するなどした。養殖施設は流氷対策で沈下しており、詳細把握は春の施設浮上後となる見通し。
被害は12月下旬現在の漁協まとめで建物44件を中心に漁船、ホタテ施設など多岐にわたり計56件。このうちコンブ関係は番屋や乾燥施設、倉庫といった建物の被害が33件で、全壊した番屋も。前浜などに陸揚げしていた船外機船も波で横転、破損するなどした。
東しゃこたん漁協古平地区のカレイ刺網は昨年12月以降、シケ頻発の海況を受け、低調な数量で推移している。品薄を背景に年明けのクロガシラは、良型でキロ平均800~750円と好値を付けている。
同漁協の担当者は「12月はシケが多く操業回数を稼ぐことができなかった。全体的に数量が少なく価格は堅調」と話す。 4日の初競りはクロガシラがキロ平均900~800円、翌5日も800~700円。今後は「6日から10トン未満船が操業する。数量が増えれば、価格は落ち着くだろう」と見通す。
野付尾岱沼の根室海峡5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)共同海区2020年水揚量は、前年比28%減の1万8124トンとなった。昨年5月までの操業で29号巽沖造成が予想以上の空貝に苦戦を強いられ、各海域のアソートも小型に傾斜したことが数量減につながった。
金額は同44%減40億994万円(税抜き)、キロ平均単価は同22%安221円。単価安が響き金額も伸び悩んだ。
岩手県大船渡市三陸町越喜来の中野えびす丸(崎浜港、第16代船長・中野圭)は、地元産の水産物を使ったブランド「OKIRAI PREMIUM 越喜来を味わうシリーズ」を立ち上げた。チームで6次化を目指す取り組みで、第1弾として「ホヤのレアスモーク」の販売を開始。志を共にする仲間を巻き込みながら三陸が誇る海の幸の魅力を発信し、地域振興につなげていく。
岩手大学人文社会科学部の田中隆充教授は、水産加工品の容器製造を支援するスマートフォン用アプリを開発した。高級感のある化粧品容器の金型を2次利用する取り組みで、製品ラベルのデザインなどがシミュレーション可能。加工業者の利益率向上を目指す。
水産資源の先行きが不安視される中、国は水産物の安定生産・供給に向け、昨年7月に「養殖業成長産業化総合戦略」を策定した。漁業現場では後進の北海道、岩手県でもサケ・マス類の海面養殖試験などに乗り出す動きが相次いでいる。海洋環境の変化などを見据え、回遊資源の変動に左右されない新たな漁業の確立を目指す「養殖」の取り組みに焦点を当てた。
「今後に不安を抱いても仕方ない。自分たちの手で現状を打開する」。大樹漁協の若手漁業者で構成する大樹サクラマス養殖事業化研究会は、冬季の水揚げを目指したサクラマスの養殖実証試験に挑んでいる。ここ数年主力の秋サケ定置が振るわず、漁家経営の先行きに影を落とし、新たな漁業を切り開くことで活気に満ちた浜を取り戻す。