7月下旬、日本海と道東・三陸海域では記録的な高水温になった。漁業情報サービスセンター(JAFIC)によると、同時期の平均海面水温の近年偏差では、大和堆ではプラス3.9度、道東沖ではプラス2.5度を示したという。関係者からは日本海のスルメイカ、これから始まる太平洋でのサンマなど漁業への影響を懸念する声も上がっている。
道総研釧路水産試験場は今年度から道東太平洋海域で漁獲される主要魚種・ヤナギダコの資源評価手法の高度化に取り組む。現行は生態的特徴などの知見が少なく、漁獲量から資源状態を判断している状況。漁業の実態やタコの行動生態などを調査・解析し、資源量の指標値を見いだし、持続的利用につなげていく。併せて科学的根拠に基づいて漁業者が自主的に取り組む資源管理を後押ししていく。
羅臼漁協のうに漁業部会役員は今年、痩せウニ(エゾバフン)の身入り改善試験に乗り出した。6月にウニ2トン弱を松法漁港近くの囲い礁に移殖。餌にはコンブの根部分を確保し7月中旬に給餌を開始、今後定期的に行い成長を促進させる。濱田久吉部会長は「採るばかりでなく育てることも重要」と話し、前浜資源の有効活用を目指す。
紋別漁協のカラフトマスは、序盤の7月に低調な水揚げとなり、数量は前年同期の3~4割と振るわない。8月に入り小型傾向ではあるが、日量千尾以上と上向き始めている。薄漁を映し浜値はキロ300円前後と好値を付けており、着業者はピークとなる8月中旬以降の盛り上がりに期待を寄せている。
雄武漁協のコンブ漁は、ハシリから天候に恵まれ順調に操業している。浅場中心に流氷被害を受け総体的に昨年を下回る繁茂状況だが、片川貴朗うに・昆布部会長は「これだけ順調に沖に出られているので当初の予想よりは揚がりそう」とみている。
オホーツク海沿岸のホタテけた引は、7月末で18万1679トンを水揚げし、計画達成率62%となった。北部の猿払村が唯一の3万トン台で78%を達成。宗谷、猿払村、沙留、紋別、湧別、網走、西網走の7単協は前年同期を上回るペース。歩留まりは最高14%台に上昇しており、アソートは大半が3S中心。浜値はキロ200円台中盤~100円台後半と堅調に推移している。
道東沖のマイワシ漁は組成の小型化で苦戦を余儀なくされている。ミール向けが大半を占め、生鮮出荷がわずかで、浜値が振るわない。着業船の採算性は厳しく、仲買も生送りの原魚確保に苦慮。今後、ロシア水域から南下する群れに好転の望みを託す。一方、大臣許可の棒受網船が10日から順次出漁するサンマ漁は、水産庁の漁況予報では来遊量は依然低水準、漁場も沖合を中心に形成される厳しい生産状況が示されている。
北るもい漁協のミズダコは、羽幌地区のタコ箱が比較的安定した水揚げ。1隻日量300キロ前後と平年並みに推移している。サイズは平均5キロ程度と小ぶりだが、7月後半もオカ側で漁が続いており、6月中旬以降はシケも少なく順調だ。浜値はキロ490円と強含み。
水産庁が7月30日に発表した北西太平洋サンマ長期漁況予報によると、漁期を通じた来遊量は過去最低の漁獲量だった昨年を上回るものの、依然低水準と予想している。組成も生鮮向けとなる1歳魚が昨年より大きいが、割合は50%を下回る低位。漁場も沖合で、今年も道東沿岸の形成は期待できない様相。引き続き厳しい生産状況が懸念される。
岩手県の秋サケ漁は今季も極めて厳しい漁模様となりそうだ。県水産技術センターが7月26日に発表した2021年度(9月~22年2月)の回帰予測値は尾数62万尾、重量1970トンで、東日本大震災前5年間の平均値の7%にとどまり、19年度以降の最低水準が継続する見通し。資源維持のための種卵確保への影響も懸念される。回帰時期は11月下旬~12月上旬が中心となる見込み。