根室湾中部漁協のアサリ手掘漁が4月1日にスタート、27日現在で9回操業し序盤は順調な水揚げが続いている。ただ「資源は減少傾向」と先行きを懸念する声もある。中サイズ主体の組成で、浜値は高く推移している。
政府は4月29日付で2021年春の叙勲受章者を発表した。北海道の漁業関係者では猿払村漁協前組合長の安田順一氏が水産業振興に努めてきた功績が認められ、旭日単光章を受章した。
オホーツク海沿岸の漁場造成は、おおむね順調に進み、4月末水揚量は前年並みの3万1400トンとなった。例年より低い歩留まりは7~8%と上昇傾向で、関係者はさらなる向上に期待を寄せる。一方、3単協が今年の本操業海区でも水揚げを開始した。漁場造成と並行している宗谷は日産250~300トン、同じく猿払村は200トン前後、本格操業に移った網走は100トン。他漁協も5月中旬以降順次スタートする。
ひやま漁協江差支所のサクラマスは数量・金額とも昨年を上回っている。4月26日現在で前年同期比約90%増の約14トンと好調。ただ浜値が上向かず、着業者は「何とか数量でカバーしている」と話す。
青森県が発表した県海面漁業調査によると、2020年の漁獲数量は前年比12.6%減の16万7188トンで、統計を始めた1958年以降で最低となった。漁獲金額は同18.1%減の341億8348万円で、89年以降では最低。主力のスルメイカやサバの不振が続き、ホタテも半成貝の出荷が主体となって数量が伸びなかった。新型コロナウイルス感染症による需要の低下が金額を押し下げた一因とみられる。
ひやま漁協奥尻地区青年部成養部会(雁原幸正代表)が取り組むイワガキ養殖は、将来的にシングルシード方式を柱とする生産を目指している。出荷までの養殖期間が短く生産効率が上がることが利点。加えて、型や身入りの安定化も期待できる。昨年からは本格的に「奥伎(おうぎ)」の名称でブランド展開。雁原代表は「シングルシード生産が確立できれば、奥尻産イワガキのブランド力を高めることができる」と強調する。
凍結機器の製造会社や、機器を専門に扱う商社が冷凍食材を自ら販売する事業に乗り出している。食材の品質を損なわない急速凍結といった技術を盛り込んで事業を展開。専門会社直結のノウハウが詰まった食材・商品構成に注目が集まる。これまで流通する機会の少なかった地方の産品にも焦点を当て、その販路開拓に役立てている。生産者が高品質な食材を適正価格で販売できる新しい流通の形としても期待が高まる。
大津漁協のエゾバイツブかご着業船は船に選別機を搭載、出荷サイズに満たないものは海中還元を徹底している。
コンパクトサイズでブリッジ前などに搭載。水揚げしたエゾバイツブを投入、網状の回転式ドラム内でふるい分けられる仕組み。ドラム下に受けかごを用意、目から落下してきたエゾバイツブは出荷せず海中還元する。
住宅リフォームの設計施工や貸倉庫業などを営む株式会社SUUMA(札幌市、須間友美社長、電話011・676・5937)は、酸水素ガスを使ったエンジン燃焼室のクリーニング事業を昨秋に始めた。漁船エンジン内部に付着したカーボンを取り除き、燃焼効率の向上やエンジンの負担軽減を実現。石狩湾漁協の漁業者を中心に口コミで評判が広がり、道内各浜から受注件数が右肩上がりで伸びている。
渡島噴火湾のエビかご春漁が振るわない。3単協(砂原・森・落部漁協)とも1隻日量数十キロと苦戦しており、3月後半から2~3日留めの操業が続いている。組成は中主体。浜値は大がキロ5千円台と堅調。着業者は「高値でも数量が少な過ぎてカバーできない。リリースの小エビが薄く秋漁も心配」と気をもんでいる。