小樽市漁協のウニ漁が8月31日で終漁した。今年は数量が落ち込んだものの、引き合いが強く高値市況を形成。終盤の水揚額は昨年同期を約2割上回った。一方で着業者からは「全般的に身入りが芳しくない」「決して資源状況がいいとは言えない。今後に不安もある」などといった資源状況を心配する声も出ている。
本州のトップを切って岩手県大船渡市魚市場に8月27日、今年初となるサンマ約3トンが水揚げされた。昨年の初水揚げと比べ9割減で、2001年以降で最少。燃料代が高騰する中、大きさも例年より小ぶりで、漁業者の顔色はさえなかった。
東京・豊洲市場の折詰ウニ消流は北海道産は入荷量が伸び悩んでいる。大雨被害やシケ絡みで出漁回数が限られ、品薄高値で推移。また、10月1日に漁が解禁する北方四島産に対し、荷受・仲卸業者らは「ロシア側は春にかなりの数量を出荷していたため、枠を圧迫したのでは。秋からの供給状況が気がかり」と注視している。
水産庁は8月31日、2023年度水産予算の概算要求総額を2604億円と発表した。前年度要求額の2602億円と同水準に設定。3月に改定された水産基本計画の着実な実行を図り、持続性のある水産業の成長産業化と漁村の活性化を実現させる。
沙留漁協青年部(山田煕寿部長、部員22人)は海藻が繁茂してない場所に生息する痩せウニ(エゾバフン)の陸上蓄養に乗り出した。前浜資源の有効活用、磯焼けの抑制を念頭に、コンブを給餌し、身入りを改善。今年は試験段階で、来年から本格的に取り組んでいく。
北海道の秋サケ定置漁が30日に開幕する。5万トン割れだった昨年比10%増の来遊予測が示され、今年も低水準の漁況見通し。引き続き、水揚げの回復時を見据え、原魚の円滑処理体制や売り場の確保、消流安定への価格形成が焦点となる。道漁連販売第二部の鳥毛康成部長に商戦展望、流通対策の重点などを聞いた。
南かやべ漁協のコンブは主力の促成の水揚げがほぼ終了、一部地区で春先にシケ被害が発生したものの、全体では昨年を上回る生産を見込んでいる。2年養殖は主産地の尾札部地区の生育が振るわず減産の見通し。繁茂不良による水揚げ低迷が続く天然は今季も操業地区が限られ、わずかな生産となりそうだ。促成は、ホッケによる種苗被害などに見舞われた昨年度実績の2172トンに対し、今季は2560トンを計画。大半の漁家が水揚げを終え製品作りが本格化している。
今年の秋サケ定置漁で、えりも以東海区と根室海区の全漁場が資源の維持・増大に向け、昨年に引き続き、操業始期から自主規制を行う。両海区は前・中・後期のいずれも河川そ上数が親魚捕獲計画を下回る予測が示されており、網入れ時期を遅らせ、河川へのそ上を促し、再生産用親魚の確保を図る。
近年国内のいくら市場を席巻しているロシア産冷凍卵は今季の搬入量が昨季を大幅に下回る様相だ。極東のカムチャツカ方面での不漁で、一般社団法人北洋開発協会によると、10日時点の漁獲勧告量達成率はカラフトマスが20.2%、シロザケは3.3%にとどまっている。価格も高騰し、日本の商社は搬入量を絞っている。
円安や世界的な需要の高まりを背景に、チリ産ギンザケをはじめサケ・マス相場が高騰している。国際情勢の変化でロシア産ベニザケの搬入の予測もつかず、輸入物の供給は例年にも増して不透明な様相を呈している。
チリギンは在庫のひっ迫を背景に異例の価格上昇が続いている。6月下旬には、4/6ポンドサイズの冷凍ドレスの内販価格がキロ1200円にも達した。3月から3カ月で約300円値上がりし、シーズン開始時の2021年10月の価格と比べると1.5倍ほどの水準となっている。
在庫ひっ迫の要因について、商社筋は「ベニが高値だったため、早期から北海道・東北でもチリギンの売り場が増え、相場は前期よりも高いものの、消費は鈍らなかった」と説明。加えて「搬入量が予想に反して少なかった。例年は11万トンほどだが、21/22年シーズンは最終的には10万トンに達しないのでは。当初4月から価格が下がるとの見通しで、商社各社は在庫を潤沢に確保していなかった」と続ける。