帯広市の「魚のえぞ吉」(樽美拓哉代表)は、羅臼町の漁業者直伝の製法で仕立てるホッケなど干物の移動販売を展開している。十勝管内のスーパーを中心に回って入り口で焼き上げて提供する「魚の炭火焼き専門店」のスタイル。11月22日には帯広市にテイクアウトの店舗も開設。「海の宝をおすそわけ」をコンセプトに、自らがおいしさに感動し、開業に突き動かされた道産水産物の魅力を発信していく。
浜中漁協の養殖ウニは9月上旬に水揚げが始まった。序盤は身入りに浮動があり浜値(殻付き価格)に開きがあるものの、高値キロ1万円強まで高騰。シケ後には餌のコンブが寄り、着業者は今後の身入り向上に期待し給餌を進めている。56軒が着業。浜中湾や琵琶瀬湾で円筒形のかごを用い養殖。地区別で4班に分け、序盤は週2回のペースで出荷。今後徐々に本格化する見通し。
関東甲信越でショッピングセンターチェーンを展開する株式会社ベイシア(群馬県前橋市)は、多魚種で産地との連携を強化している。サンマや秋サケでは道漁連や産地加工業者との直接取り引きを本格化し、品ぞろえを充実。販促ツールも活用し、競合店との差別化につなげている。スーパー「ベイシア」各店舗では秋の味覚が出そろう9~10月、消費者の購買意欲をかき立てる売り場づくりを繰り広げている。
包装業界や容器・包装を使用する食品など各種業界は持続的な社会の実現に取り組んでいる。包装の役割である「中身を守る」という機能向上への技術開発とともに、プラスチック使用量の削減、容器・包装のリサイクル、CO2削減などを推進している。容器・包装のリサイクル推進に向け、単一の素材で製品を作るモノマテリアル化の推進、着色剤レス、脱墨技術の開発が行われるなど、素材循環に向けた取り組みが進みつつある。その上で、フードロス対策、賞味期限延長ニーズなど機能性も維持させる必要があり、以前にも増してバリア性を有する包装ニーズが拡大している。
オホーツク海沿岸の9月末ホタテ水揚量は、漁場造成を含め25万8463トンとなった。前年同期比3%減、全計画量に対する達成率は84%。枝幸、沙留が昨年を上回るペース、猿払が横ばいで推移している。北部の猿払村、枝幸、南部の紋別、常呂が3万トンを超えた。9月の歩留まりは大半が11%前後、組成は変わらず3S主体だが4S、5Sの割合が増えている。
釧路管内5単協の成コンブ漁は、9月単月の採取日数が昨年同月比5日増の42日。ただ7月(27日減33日)、8月(2日減10日)がシケや天候不順で伸び悩み、7~9月の累計は昨年同期比24日減の85日となった。資源状況を考慮し釧路市東部、散布の両漁協が9月で終漁した。
厚岸漁協のカキ養殖は、厚岸湖内で育成した稚貝をホタテ原盤から外し、かご養殖に切り替える時期を迎えた。カキを削り取る作業が続く中、昨年ごろから湖内で大量発生している天然の稚貝の影響を受け、着業者は「原盤に稚貝が付着し、いつも以上に作業が大変」と苦労を口にする。
いぶり噴火湾漁協礼文支所の幣航輝理事(千鳥丸)は、礼文で唯一、タコ空釣縄に着業する。陸側で獲れる「通りダコ」を狙い、毎年6月中旬から7月にかけ投縄。「昔から続けてきた諸先輩のアドバイスを受け引き継いだ。礼文の一漁法として続けていきたい」と話す。仕掛けの概要を説明してくれた。
いぶり噴火湾漁協のウニたも採漁は、エゾバフンウニの減少、低歩留まりのためキタムラサキウニ中心の水揚げとなった。全道的な減産の影響もあり浜値は高騰。キタムラサキウニの殻付きで一時キロ3800円を付けた。高値基調を受け、出荷形態はむき身から殻付きに傾斜、水揚量は前年比3割増で終漁した。
北海道の秋サケ定置網漁は9月が1万5千トン台と、近年にない2万トン割れで折り返した。10月も全体的には漁期前予測並みの盛り上がりに欠ける滑り出し。浜値は出足の高騰から下方修正されたが、強気配。昨年は海水温降温後にペースが上がり、日量千トン前後が続いた10月前半の漁況に今季の行方がかかっている。