イオン株式会社は、プライベートブランド「トップバリュ」の発売から今年で50周年を迎え、“次の50年”に向けた取り組みとして、アレルギー対応や環境配慮、フードロス削減に貢献する商品を強化、拡充していく。人と地球との調和を目指したブランドビジョンを掲げているもので、水産関連では、獲れた魚を無駄にしない、低利用魚を手軽に味わえるといった商品を6月に投入する。低利用魚を活用した「トップバリュ もったいないお魚シリーズ」の第3弾として「黒鯛ステーキ」(2品)を「イオン」「イオンスタイル」「マックスバリュ」など約450店舗で12日発売する。今回活用するクロダイは瀬戸内海で養殖しているカキやノリを収穫前に食べてしまうことが問題視されていたが、調理に手間がかかるため、これまで有効活用されずに海に戻してしまうこともあった。岡山県寄島漁協の協力で、商品化につなげた。
農林水産省は5月31日、2023年の漁業・養殖業生産統計を公表した。総生産量は前年比4.9%減の372万4300トンで、現行の統計を開始した1951年以降、3年連続で過去最低を更新、2年連続で400万トンを割った。魚種別では、マイワシやサンマの漁獲は増加したが、スルメイカとスケソは過去最低を更新した。
持続可能な海を目指した啓発活動を行うトップシェフで組織する一般社団法人Chefs for the Blueは5月27日に、水産庁の森健長官へ提言書を手渡した。総体的に水産資源が減少している現状から、料理界からの視点で資源回復に向けた5つの提言を行った。また、対談後の記者会見では各ジャンルの料理人らが食文化存続の危機について話した。提言のポイントは◇資源調査・評価と管理のための人員体制強化と予算拡充◇地域経済・食文化にとって重要な沿岸魚種の資源調査・評価と管理の高度化に取り組むこと◇カツオは中西部太平洋まぐろ類委員会における資源保全の国際合意を急ぐこと◇補助金に依存せずとも採算のとれる「魅力ある産業構造の構築に向けた漁業のビジョン」を描くこと◇トレーサビリティーの推進、資源状況・生産状況に関する情報の発信体制強化。
函館市の生珍味メーカー・株式会社誉食品(熊谷輝彦社長、電話0138・86・9291)は、装置の導入・更新で製品の包装から計量・検品の工程を自動化したラインを構築した。労働力確保が困難化する情勢を踏まえ、省人・省力、生産性向上への機械化を推進。加えて異物混入を防ぐチェック機能の高度化で、安全・安心、高品質の製品供給体制を強化した。
宮城県石巻市、石巻専修大、株式会社木の屋石巻水産(同市)、酒田米菓株式会社(山形県酒田市)、食品卸の株式会社かね久(仙台市若林区)の5者は「オランダせんべい 鯨大和煮風味」を共同開発し、7日に発売した。鯨肉の加工時に出る端材を有効活用。60年以上にわたり愛され続けている木の屋伝統の味を基に、なじみの薄い子どもでも食べやすい菓子に仕上げた。産学官連携で鯨食文化の継承と地域活性化、持続可能な開発目標(SDGs)の達成につなげる。
株式会社ニッスイ(東京都港区、浜田晋吾社長)と広田湾漁協(岩手県陸前高田市、砂田光保組合長)が広田湾内などで試験養殖するギンザケが5日、初水揚げされた。今季はいけす2基で150~200トンの活じめ出荷を計画。刺身やすしたねに加工し、高まる生食需要に対応する。環境に配慮した持続可能な生産体制を確立し、2025年秋ごろの事業化を目指す。
函館市漁協の函館サーモン養殖部会が手掛けるトラウトサーモンの水揚げが5月末に始まった。1尾当たりの平均重量は3キロ強、大きい個体で約5キロに達するなど順調に成長。生残率も約80%と高く7月上旬まで週1回のペースで水揚げ、昨年の倍となる約9千尾の生産を見込んでいる。同部会の松川雅樹さんは「イカの不漁が続く中、函館地域の新たなブランドとして根付かせたい」と力を込める。
㈱水産新聞社(札幌市、永原巻鋭社長)は5月24日、「お魚殖やす植樹運動」を支援する「ほっかいどうお魚殖やす森林づくり」事業の募金窓口の公益社団法人北海道森と緑の会(山谷吉宏理事長)に30万円を寄付しました。
「100年かけて100年前の自然の浜を」を合言葉に漁協女性部を中心に全道各地で取り組む「お魚殖やす植樹運動」などを応援しようと、発行する本紙『週刊水産新聞』で2001年3月に「100年キャンペーン 森を守り海を豊かに」を開始。水産・林業関連各企業・団体からの協賛広告を得て掲載しています。寄付はその広告掲載料の一部で今回4回目。
ホタテの新物商戦を展望する道水産物荷主協会(根田俊昭会長)主催の第30回全国ホタテ大手荷受・荷主取引懇談会が5月28日、京王プラザホテル札幌で開催された。昨年の2倍近い供給量が見込まれる冷凍ボイルの安定的な消化や、国内消費が鍵を握る玉冷の冷静な価格形成に期待する意見が示された。中国の禁輸以降、輸出促進と内需拡大の維持継続が今年の焦点となる。
食品機械・技術の展示商談会「FOOMA JAPAN 2024」(日本食品機械工業会主催)が4~7日、東京ビッグサイト東棟全館で開催される。47回目の今回の出展社数は過去最多の982社。“突破口”を意味する“Breakthrough FOOMA”をテーマに、出展企業が生み出すさまざまな解決策は食品製造業の理想に気付けるものであり、業界の未来を創造していく。オープンイノベーションの機会創出や優れた研究開発の成果を顕彰するアワードなど多彩な企画で盛り上げる。食品工場の省人化や生産効率化、衛生管理など食シーンの多様性に応える最先端の製品・技術・サービスが集結。アジア最大級の食品製造総合展とした活気あふれる4日間になるものと期待が高まる。