宗谷漁協のミズダコが前年比5割増と順調なスタートを切った。船間格差はあるものの、いさり樽流し漁を主体に多い船は日量400キロ以上の水揚げ。浜値は昨年のキロ千円台を下回るが、中サイズ中心に850円程度と好値を付けている。
第三十一豊佑丸は今年もブドウエビの休漁に伴い、例年6月で切り上げるメンメ(キチジ)刺網を延長して水揚げを確保する計画。他の刺網船同様に活じめ出荷にも取り組んでおり、藤本繁樹船頭は「値段に反映している」と実感。「今後も継続していきたい」と力を込める。同漁協では一部の刺網船がホッケやサメガレイ、メンメ、メヌキなど各魚種の活じめ出荷に注力している。もともとサメガレイの活じめを手掛けていたものの「陸の手が足りずしばらく休止していた」(藤本船頭)という第三十一豊佑丸も「一昨年くらいから再開」。付加価値対策として取り組む。
豊浦町の有限会社北海スキャロップ(外山明社長、電話0142・85・7500)は、前浜・礼文華産ホタテの加工品で缶詰を商品展開している。町の水産物アイヌブランド化事業と連動し、ラベルデザインにアイヌ語・文様を使用。地域特産品として土産品・贈答需要などにアプローチ。現在、新商品の開発も進めている。
羅臼漁協昆布青年会(佐野亘会長)は昨年、羅臼昆布を粉末化した商品「羅臼昆粉(こんぷ)」を開発した。原材料は昆布のみで天然、養殖の2種類を瓶詰めで展開。料理に混ぜたり、ふりかけて使える。購入者から「おいしい」と応援する内容の手紙が届くなど反響もあり、佐野会長は「積極的にPRしていきたい」と力を込める。
全道各浜で取り組む「お魚殖やす植樹運動」の植樹行事が5月28日、当別町の道民の森内で行われた。同運動は1988年に始まり、今年で36年目。道女性連や北海道開発局、林野庁、道水産林務部、系統・水産関係団体、道森林組合連合会、コープさっぽろなどから70人以上が参加。「豊かな森が豊かな海を育む」の思いを込めてミズナラとニレ計500本の苗木を植えた。
東京都・豊洲市場の北海道産ニシン消流は5月下旬も脂が乗った商材が入荷している。仲卸業者は「この時期としては珍しく身質がとても高い」と驚く。また、例年脂肪が多いのは夏のオホーツク海産が定番だが、現況は苫小牧・鵡川産が中心。リピート購入する飲食店が出ている。
小樽市漁協のウニ漁は5月15日に解禁し、赤(エゾバフンウニ)の出荷数量が昨年を大幅に下回り、前年同期比60%高の価格を形成。平均単価は薄折、パックとも強含みで推移している。