白糠漁協の丘ツブかご漁は、全般的に好値で推移している。6日は真ツブの白大がキロ4千円台に上昇、灯台ツブも500円台に付くなど、いずれも前年同時期を大きく上回っている。操業前は赤潮による資源への影響も懸念されたが、佐々木誠ツブ篭部会長は「漁は例年よりやや少ない程度で極端な落ち込みはない」と話す。
函館市と北海道大学が連携し、キングサーモンとマコンブの完全養殖の技術確立を目指す。北海道内では初採択となる国の地方大学・地域産業創生交付金を活用。加えて、二酸化炭素(CО2)排出を抑制する低炭素飼料の開発やコンブの繁茂増によるCО2吸収量増大などを通じ、函館地域のカーボンニュートラルの実現を促す。
水産の技術系9団体で構成する海洋水産技術協議会(代表・議長=長谷成人全国水産技術協会理事)は洋上風力発電施設の建設に伴う漁業影響調査の在り方について検討・取りまとめを行い、6月30日に公表した。再生可能エネルギーの切り札として位置付けられる洋上風力発電施設の設置が、漁業と共存・共栄していくための指針となるものとしてまとめたもの。調査の手順や検討すべきポイントなどを示しており、今後関係機関などに対し活用を呼び掛けていく。
三菱商事株式会社とマルハニチロ株式会社は、10月をめどに富山県下新川郡入善町でアトランティックサーモンの陸上養殖事業を行う合弁会社アトランドを設立する。合弁設立後、入善町に原魚ベースで約2500トン規模の循環型養殖システムを活用した陸上養殖施設を建設。2023年度後半に着工し、25年度に稼働開始。27年度の初出荷を目指す。
秋サケの消流動向は、北海道の水揚げが3年連続の5万トン割れ、三陸も大減産で、親製品、魚卵製品とも昨年産の供給量が低水準。加えて競合する輸入物が高値で推移し、比較的順調に消化が進んでいる。ただ、売り場の縮小、産地の物流・背面処理能力の低下などで突発・集中水揚げ時に相場が下落に転じる状況が顕在化。今期も原魚処理体制の再構築と需要先の堅持・拡充が不可欠となる。
松前町茂草地区の土木建設企業・川合建設株式会社(川合寿美子社長)が手掛ける陸上養殖トラウト「北海桜サーモン」の試験販売が6月中旬から東京・豊洲市場で行われている。2回目の販売となった7月4日には初回に購入した仲卸業者から再注文が相次いだ。仕入れた仲卸業者は「身質が良く、他の仲卸もすでに顧客をつかんでいると聞いている」と話す。
鹿部町の株式会社丸鮮道場水産(道場登志男社長、電話01372・7・2523)は、ロシア産の輸入冷凍卵を使用し、従来前浜産の生卵で手掛ける自社の味・食感を追求したたらこ・めんたいこを開発した。輸入冷凍卵の商品は初。原料を厳選し、試行錯誤を重ねて作り上げた。3月からネット販売を始め、百貨店のギフトなどにも売り込んでいる。
宮城県漁協(寺沢春彦組合長)の通常総代会が6月30日、石巻市で開かれ、当期剰余金2億807万円(前年度比9442万円増)を計上した2021年度決算を承認した。黒字は10期連続。22年度事業計画などの議案も可決したほか、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に「断固反対であることはいささかも変わらない」とする特別決議を採択した。
宮城県漁協石巻湾支所(髙橋文生運営委員長)は、管内で獲れる天然アサリ資源の保護、増大を目指している。東日本大震災で被災し、新たに造成された石巻市の万石浦の干潟で5年前から漁を再開。漁期や漁獲上限、採取サイズを定め、今季は10トンを水揚げした。環境の変化を逆手に取った干潟拡大計画が進行中。水揚量を増やし、ブランド力強化につなげる。
えりも漁協の春定置は不漁の昨年を上回り、例年並みの水揚量を確保している。4日現在の水揚額は前年同期比約2.3倍の1億7千万円。トキサケ、サクラマスの増産が後押し。終盤はニシンやカレイが主体の漁況を示している。