上磯郡漁協木古内地区の養殖ワカメは3月から主力となるボイル塩蔵の生産が始まる。「成長にばらつきがある」と話す着業者もおり、今後の生育促進に期待している。
宮城県産養殖ギンザケの今季(2022年)生産量は1万6千トン前後になりそうだ。昨季から約200トンの増産となる見込みで、コロナ禍による巣ごもり生活で高止まりする内食需要に対応する。成育が順調に進んでおり、水揚げは例年通り3月中旬ごろに始まる予定。生産者は早期出荷などでチリ産ギンザケとのサイズ競合などを避け、好値維持を図っていく。
海鮮丼専門店を経営する株式会社レイジックス(敬禮匡社長)は昨年12月に熟成ずしの宅配事業「熟成 鮨匡(すしまさ)」に乗り出した。「津本式究極の血抜き」、乾燥・熟成の製法で魚本来のうま味を引き出す。「新鮮信仰」が強い北海道民に調理技術を加えた魚食の優を発信。“新たな食文化”の訴求に臨んでいる。
北海道産のいくらやホタテといった旬の魚介類をふんだんにトッピングし、食用花「エディブルフラワー」を添えた「お魚ぱふぇ」。札幌市東区の「お魚ぱふぇ カサナル」が提供し、コロナ禍のテークアウト需要などで若い女性を中心に「インスタ映えする」と人気を集めている。店長の山口聖也さんは「営業を継続することで、鮮魚の仕入れでお世話になっている漁協や生産者を少しでも支えることができれば」と話す。
2月から各単協で水揚げが始まった渡島噴火湾(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)の加工貝(2年貝)は、長万部、落部が日産80トン前後など中旬から増加している。歩留まりや殻長の伸びはシーズン序盤のため高い状況にないものの、耳づり1本当たりの重量は10キロ台中盤の漁業者が大半を占め、成長はおおむね良好だ。一方、浜値は高値キロ200円台前半と強含み。仕向けは玉冷や生鮮のほか冷凍両貝も始まった。
利尻富士町は「リシリコンブ株主(オーナー)事業」を開始した。鴛泊地区の養殖コンブ漁業者と連携し、今夏収穫した昆布を秋に株主に配送、利尻昆布ファン増加と魅力アップに努めていく。コンブ養成綱1メートル(昆布15~20本)を1株(価格1万5千円)として募集、開始直後から応募が殺到するなど早くも注目を集めている。
イカ釣漁で漁具や漁獲量に被害が発生し、クロマグロが要因に推察される問題を受け、道水産林務部は2021年漁期を皮切りに被害実態調査に着手した。国際的な資源管理の枠組みでクロマグロの漁獲量が厳しく制限される一方で、スルメイカは不振。イカ釣漁業が主力のひやま漁協では着業者から「クロマグロの資源管理が始まったここ4年で前浜のイカ釣は大減産。もっと早く動いてほしかった」との声が相次いでいる。
東京都・豊洲市場でアカガレイの引き合いが強い。鮮魚店に加え、飲食業者がランチの材料に使用。もともとマガレイやクロガシラガレイより人気を得ていたが、競合するナメタガレイの高騰で需要増を生んでいる。卸値はナメタが2千~1800円(2尾入れで3キロ、1尾入れ1.8キロ)で強含みに対し、アカは高値でキロ750円と手頃な価格。中旬ごろから子持ちも目立ち始めたことで、仲卸業者は「身が厚くなって売れてきている」と説明する。また、飲食店需要は「夜間営業の客足は減っているが、都の補助金が出るため営業は続けて、ランチで売り上げを確保する動き。その材料に仕入れている」と話す。
道は18日、2022年度当初予算案・21年度補正予算案を発表した。22年度一般会計予算案の水産関係分は286億2918万2千円で、今年度比7.4%減。水産エコラベルの認知度向上など道産水産物の持続的な需要増大、廃漁網などのリサイクル促進に向けた実証試験・マニュアルの作成、日本海のサクラマス資源回復への健苗生産の支援などを新規に盛り込んだ。
ひだか漁協(石井善広組合長)が日高町緑町130に建設を進めていた日高管内最大規模の水産物冷凍加工施設が竣工した。冷凍冷蔵施設と3棟の加工施設で構成。最新設備を導入し、高度衛生管理体制を整備した。主力の秋サケ・タコに加え、魚価安が課題のカレイ類、ホッケ、ブランド化を手掛けるブリなど一般鮮魚の付加価値加工、円滑流通を推進。道内外をはじめ海外需要に対応し、漁家収入、組合経営の安定を目指す。4月1日から稼働を開始する。