北海道の秋サケは、太平洋側の不振が際立っている。特にえりも以西は昨年比2割減の漁期前予測を大幅に下回る水揚げで推移。日高地区も全域が極度に落ち込んでおり、赤潮の発生によるへい死被害だけでなく、漁業者からは来遊阻害などの影響を指摘する声が上がっている。一方、ここ2年は11月に入って伸びが見られ、切り上げまでの上積みに期待もつないでいる。
道東沖の巻網漁が10月末で終漁、主力のマイワシは水揚げが23万5065トンと前年を5%下回ったものの、3年連続で20万トンを超えた。TAC(約25万トン)消化率は94%。キロ平均単価は1円高い32円で、金額は74億2648万円と4%の減額。漁期を通し小型主体の組成だった。
東北の豊かな海を次代に引き継ごうと、公益財団法人宮城県水産振興協会(七ケ浜町、永島宏理事長、電話022・253・6177)がヒラメ稚魚放流事業費捻出のためのクラウドファンディング(CF)を始めた。目標金額は875万円。稚魚購入費や放流経費などに役立てる計画だ。
日建リース工業株式会社を代表機関とする「地下海水陸上養殖サーモンバリューチェーン改善促進協議会」が進める「三保サーモン」(写真)ブランド化の取り組みが水産庁の2021年度バリューチェーン改善促進事業に採択された。静岡・三保地区で展開している地下海水を用いたサーモンの陸上養殖事業において、生産性改善や品質向上、ブランド化を図る。
東しゃこたん漁協の大定置はブリが増産している。10月23日以降は良型が目立ちだし、ブランドブリ「鰤宝(しほう)」の上場も本格化。一方、コロナ禍の影響を受け、ブリ類全体の浜値は盛り上がりに欠く展開を余儀なくされている。
卸や加工販売を手掛けるマルイチダイ大場水産株式会社(根室市、大場康之社長)は、根室の旬の魚を売り込む移動販売を開始した。身近で便利な店をコンセプトに、「その代表格であるコンビニをヒントにした」という移動販売トラック「魚屋コンビニカー」を導入。荷台側面内側をガラス張りにし、荷室には陳列台や冷凍冷蔵庫、貝をむく洗い場なども完備、そのまま売り場になるよう改造した。大場社長は「道内内陸部中心に巡り、旬の魚を新鮮なまま届けたい」と意気込む。
利尻漁協の養殖コンブは、昨年実績(251トン)を下回る生産見込み。総体的に例年より長さはあったが実薄。毛(ヒドロゾア)の付着に悩まされた地区もあった。
北海道の秋サケ定置は、道漁連の集計(速報値)によると、10月25日で昨年の最終実績(4万5385トン)を超え、低水準ながら2年連続の増産が確定した。オホーツク、根室・北部などで10月中・下旬の水揚げが急落した昨年に比べて持続。前半低調だった大所のオホーツク・東部地区ではウトロ、網走の両漁協が不振の昨年実績を上回り、斜里第一漁協は切り上げまでの上積みに期待をかけている。
オホーツク海沿岸の北部4単協(宗谷・猿払村・頓別・枝幸漁協)は、宗谷、猿払村の2単協が4万トン超えとなり、当初計画を大幅に上回っている。両漁協とも漁場造成と位置付けた操業を進めており、日産数量は減少傾向。歩留まりは2桁を維持しており、好漁のシーズンとなった。
宗谷漁協のタコいさり漁は、昨年を下回る低調な水揚げだが、10月後半から増産する船も増えてきた。1隻日量200~300キロから多い船は600キロ前後に好転。着業者は「水温が下がりシケ後に見えてきた。例年1トン前後揚がる時期。最後に獲らせてほしい」と期待を込める。一方、浜値はキロ600円台と高値基調。金額は昨年を1割ほど上回っている。