利尻漁協のヒラメ一本釣漁は、活魚での高品質出荷に注力している。沖での水揚げは基本的にたもを使わないほか、漁協職員もゴム手袋を着けずに選別し魚体の擦れを徹底して防止。荷揚げも1隻ごと順番に行うなど鮮度保持にも力を入れる。主に東京・豊洲市場に流通。輸送距離の長さや離島のハンデを克服、荷受や仲卸、高級すし店などの評価は高く、東南アジアにも輸出されている。
鹿部漁協所属の(カネジョウ)上平漁業(上平浩二代表)の新造船「第三十八大翔丸」(9.7トン、FRP)が竣工、9月28日に地元の本別漁港で勇姿を披露した。広い甲板が特長で作業性を向上。船尾など死角を映すカメラも設置、安全性も重視した。今月解禁したスケソ刺網で初陣を飾り、主力のホタテ養殖にも着業する。
苫小牧漁協の夏ホッキけた引漁が好調だ。9月は日量ノルマをクリアするなど順調な操業が続いた。近隣の鵡川や白老で他漁種に切り替わり、価格も上向いている。
株式会社ハケタ水産(青森県平内町、八桁由悦社長)は、陸奥湾産ホタテを使った加工品3種を完成させた。10月から青森、岩手県内の一部量販店で販売を始めた。もともとの主力である蒸しホタテにスラリーアイスを活用し、よりうま味を引き出すことに成功。ラー油やチーズといった濃厚な味付けながらも、ホタテのうま味をしっかりと残した商品に仕立てた。これまでにない陸奥湾産ホタテの本格的な総菜品として全国に向け販路を開拓する。
オホーツク海南部(雄武、沙留、紋別、湧別、佐呂間、常呂、網走、西網走漁協)の水揚量は、漁場造成を含め13万3630トン(8日時点)となった。計画達成率は85%。歩留まりは11%前後、アソートは常呂・佐呂間が3S、ほかは4S、5S中心。浜値は常呂・佐呂間がキロ100円台後半、ほかは100円台前半で推移している。
宮城県中部のワカメ養殖で今季、少なくとも19人の漁業者が新規着業する見通しだ。11月上旬から活発化する種苗糸の幹縄への挟み込みに向け、養殖資材の準備や種苗の手配が進む。コウナゴなどの春漁の不振や、後継者のカキ終漁後の営漁安定のため、3、4月に確実な水揚げが見込め、高値が続くワカメとめかぶの魅力が増している。
利尻漁協沓形地区の中辻清貴さんは、出身地の兵庫県から島に移住して漁業を学び、現在はコンブ養殖中心に営む。同じように、中辻さんの下ではプロボクサーや飲食、運送業から転じた島外出身者が製品作りなどに従事、重労働のコンブ生産を支えている。
枝幸町の株式会社オホーツク活魚(藤本信治社長、電話0163・62・4553)は、電子レンジ専用調理容器を活用した商品展開で北オホーツク産の消費拡大に乗り出した。10月から猿払産活ホタテで販売開始。家庭で手軽に「活蒸し」を味わうことができるコンセプトで、簡単調理など昨今の消費者ニーズに訴求していく。
北海道の秋サケは10月に入っても水揚げが伸び悩んで一昨年、昨年並みの低水準が続いている。浜値も下方修正され、金額は来遊量が低位となった2010年以降最低ペースで推移している。
鹿部漁協でホッケ刺網に着業する萬漁丸(3.9トン)の伊藤正さんは、カジカなど雑魚が掛からないようイセを強めず5割の仕立て。また「ホッケは鮮度落ちが早い」ため、投網から揚網まで3~4時間の日網操業を徹底。水揚量の減りを高鮮度出荷で補う。市場出荷後に作業場で漁具・漁法を聞いた。