北海道の秋サケは約6万トンと、極度の小型化も相まって昭和50年代に逆戻りした大不漁の昨年比約2割増にとどまる低水準となった。一方、魚価は異常高騰の昨年の反動で34%安。製品の消流は価格の下方修正で売り場回復の兆しもみられるものの、空前の豊漁となったロシア産が下をくぐる状況。来期に向け資源構造に不安を抱えるとともに、親子とも各種販路の確保が引き続き懸案となる。
青森県太平洋側と津軽海峡の秋サケは、漁のピークを越えて水揚げが減り始めた。11月下旬から12月初旬に盛漁期を迎えた地区が多く、漁獲は地域によりばらついた。太平洋の白糠が好調だ。
水産庁は10日、太平洋クロマグロの2019年漁期(第5管理期間)のTAC設定に関する意見交換会を東京都内で開き、同期間の配分案を示した。クロマグロ全体で8889トン(小型魚3757トン、大型魚5132トン)とした上で、沿岸漁業の大型魚は1571トンと提示。沿岸漁業の直近3年の最大漁獲実績(1340.2トン)、都道府県の直近3年の最大漁獲実績の合計(1550.2トン)を超える配分になることを強調した。
羅臼漁協は今年からブランド秋サケ「羅皇」の出荷方法を組合主体から全量上場に変更した。仲買を通した拡販に軸足を移し、今季の最高値は昨年の6割高に付いた。
青森県・陸奥湾湾口部のマダラ漁が好発進した。佐井村と脇野沢村両漁協の底建網で、佐井の水揚げが11日に始まり、漁獲のまとまりと早いスタート、魚体のいずれも良好。生産者は3年連続の大漁に手応えを強めている。同湾に産卵、放精に向かう群れで盛漁期が1月末までと短く、ナギと出漁日数の確保が今後の鍵。
沙留漁協組合長で道信漁連会長、全漁連理事など多数の要職を務める横内武久氏の旭日小綬章受章を祝う記念祝賀会が13日、札幌市の札幌グランドホテルで挙行された。全国・全道の系統団体や漁協の役員、行政の関係者、親族など104人が出席し、横内氏の栄誉と水産業振興に尽くしてきた功績を祝った。
青森県風間浦村の蛇浦漁協青年部(木下清部長)がウニの養殖試験に乗り出した。地元のウニを11月にかごに収容し、2月まで餌を与えて身入り向上を狙う。将来的には事業化や観光資源としての活用が期待される。
道昆布漁業振興協会(川崎一好会長)は6日、札幌の水産ビルで「平成30年度北海道昆布漁業に関する懇談会」を開いた。7回目を迎えた今回は道内6地区の女性漁業者11人が参集。生産工程の中で女性が重要な役割を担う陸作業の現状や課題をはじめ、採取や増産などもテーマに女性目線・立場ならではの意見を交わした。
薄漁で始まった道南太平洋のスケソ刺網は、胆振沖で11月下旬にまとまったが、依然不調から抜け出せない。苫小牧漁協は「好漁には遠い」と話す。12月はシケで漁が切れる上、群れが沖寄りで伸び悩んでいる。
陸奥湾の2018年度秋季実態調査結果によると、18年産(稚貝)のへい死率は分散済みの全湾平均値が7.0%で、平年値(過去33年間の平均値)を2.7ポイント上回り過去4番目の高さとなった。殻長はやや下回る程度だが全重量は1.4グラムで平年値より1.1グラムも低下。県は稚貝やキヌマトイガイの大量付着による餌不足や間引き作業の遅れを指摘している。一方、17年産(新貝)のへい死率は23.1%で平年値より9.3ポイント高かった。