古宇郡漁協の漁業者グループ(8人)が2016年度(5月~翌年4月)から取り組むホタテ養殖事業が順調だ。2季目の今年度は、昨年12月から3月末までに計10回、76.5トンを半成貝で韓国向けに活出荷。浜値はキロ250円前後で推移している。
道北日本海の留萌管内で地まき用稚貝の出荷作業が始まった。大半が規定サイズ以上の殻長で、若干軽い地区もあるが例年並みに成長。前半戦は今年もシケが多く足踏みしている。
宮城県漁協唐桑支所(畠山政則運営委員長・気仙沼市)のアカザラガイが21日、駅弁にデビュー、加工品3種の販売も始まる。カキ養殖の副産物で地元消費され、一般には流通していなかった。「眠っている食材の知名度が上がる」と期待が高まる。
昆布森漁協は毎年、コンブを通じて地域に貢献している。釧路町には、学校給食などで活用してもらう乾燥コンブ100キロを寄贈。また町内の小学生を浜に招き、施設見学やコンブ干し体験を行い地元漁業や水産業への関心を高めている。同漁協は「地元の産業や水産物を知り、食べてもらうため、継続して取り組んでいきたい」と話す。
漁業の担い手対策で斬新な取り組みが始まった。好きな漁師に仕事を依頼し、技を披露してもらう新感覚通販サイト「海のヒットマン」が3月29日にスタート。一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(石巻市)が、若い世代の興味を引き、水産業をもっと身近に感じてもらおうと仕掛けた。購買などの潜在的な需要や就業希望者を掘り起こす可能性がある。
系統・水産団体が2017年度決算見込みと18年度事業計画を報告・説明する地区組合長会議が3日から12日まで全道9カ所で行われた。11日に函館市の花びしホテルで開かれた渡島地区組合長会・桧山漁協合同会議では、上見孝男渡島地区会長(えさん漁協組合長)が「大半の魚種で水揚げ低迷が続いている厳しい状況を踏まえ、資源増大対策、生産者や漁協の経営対策、環境対策などさまざま課題の解決に向けた取り組みを一層推進していかなければならない」とあいさつし、議事進行を務めた。
苫小牧漁協(伊藤信孝組合長)の生産拠点・苫小牧港西港漁港区で、室蘭開発建設部が輸出強化に向けた屋根付き岸壁の整備を進めている。総延長251メートルで、初年の2017年度は52メートルが完成、4月に供用を開始した。荷揚げ中の直射日光や風雨雪、鳥害などの影響を防ぎ、漁獲物の鮮度保持や衛生管理の向上、漁労環境の改善などの効果が期待されている。
進展する日本の鮮度・品質保持技術が海外へと活躍の場を広げている。特に国際協力機構(JICA)の途上国支援事業などで水産業振興を後押しするプロジェクトが進行。漁業者をはじめ水産業関係者の所得向上への貢献とともに、機器の販売などビジネス拡大につなげていく狙いもある。
えりも食品株式会社(山形弘社長、電話01466・2・2305)は、短時間で濃厚なだしがとれる新商品「すぐ出る アミノ昆布」を開発した。昆布表面に特殊な切れ目を入れる新技術を用い、日高昆布通常品と比べ3分の1の時間で同濃度、同じ時間ならうま味約2倍となるだしの抽出を実現。通常では抽出しにくいうま味成分も検出された。これらデータを前面に押し出したパッケージで訴求。山形社長は「今まで昆布に縁のなかった消費者や若い世代が昆布を使うきっかけになれば」と話す。