宮城県のソギ(芯抜き)めかぶ出荷は4月末までにほぼ終了し、各地減産となる。めかぶ生産の主力となる移入種苗で挟み込み後に芽落ちがあったほか、3月のシケ被害も影響した。価格は減産もあって安定し、昨年より20~10円ほど高い280~270円ほどのところが多くなる。
日高管内の春定置が20日解禁し、21日のひだか漁協三石地区を皮切りに、23日に同厚賀地区、24日に同富浜地区、日高中央漁協の荻伏、浦河両地区と順次水揚げが始まった。西側で出足からトキサケが乗網したものの、序盤主体の本マス(サクラマス)を含め盛り上がりはなく、全網そろう5月連休明け以降の漁況が注目されている。
歯舞漁協(小倉啓一組合長)は活ダコ(大ダコ)に「金たこ」と命名し商標登録、地場産水産物の付加価値向上を進めていく。同漁協では「一部会一ブランド化」を目指しており、商標登録は今回で10件目。従来の鮮ダコと差別化、知名度向上を目指す。
白老町虎杖浜のたらこ・めんたいこメーカー、有限会社蒲原水産(蒲原亮平社長、電話0144・87・2057)は昨年から新たに薫製加工に乗り出している。主力のたらこを皮切りに前浜産魚介類で商品開発。常温で持ち歩ける食品の提供で顧客の裾野を広げていく。
昆布製品製造卸の株式会社丸善納谷商店(函館市、納谷英雄社長)は2月、ロンドンで現地のトップシェフらを対象としたうま味セミナーを初めて開いた。昆布だしやうま味を西洋の食文化に融和させることをポイントに、同行した日本人シェフがポタージュなど各種料理や昆布入りブイヨンを作り活用法を提案。同時に研究者がうま味の相乗効果などを解説し科学的根拠の面でもアプローチ。シェフらの反応も良く好評で、函館真昆布の海外での普及・需要拡大に向け手応えをつかんだ。
東京・築地市場の仲卸、幸樹水産株式会社はカニが専業。500を超える築地・仲卸にあってカニのみを扱う店は他にない。近年続いている毛ガニの浜値先行に猪又信幸社長は「顧客の動きははっきりと分かれている」と強調する。
松前さくら漁協大沢地区の鳴海年蔵さん・康之さん親子が着業するワカメ養殖は、本格操業2年目となる収穫を4月中旬に終えた。シケで種糸が切れ大幅に脱落したため、昨年同様少ない生産量に。ただ収穫期を昨年より2週間遅らせたことで成長は良く、来季に向けて手応えをつかんだ。
道総研さけます・内水面水産試験場は今年度、秋サケの回帰率向上への飼育方法の改良に向けた研究に乗り出した。DHAを餌料に添加し、遊泳力や母川記銘など健苗性を強化。サクラマスでの先行事例や水槽規模の予備試験で効果が見え、事業規模で検証する。近年春先の水温変動などが激しく、稚魚の降海時の初期生残の低下が資源低迷の一因に挙げられ、環境変化に対応した健苗生産につながる成果が注目される。
耳づり作業。変更、欠刻が多く慎重な選別が求められる(23日、静狩地区)
渡島噴火湾で稚貝の耳づり作業が最盛期を迎えている。懸念された成育は変形、欠刻が目立ち例年以上に丁寧な選別作業を強いられているが、耳づり本数の大幅な減少には至らず例年の7~8割程度を確保できる漁業者も少なくない。
寿都町漁協(小西正之組合長)は、漁獲物の品質向上によるブランド化を目指している。その一環として、国の水産業競争力強化緊急施設整備事業を活用し、海水氷の製氷機(株式会社ニッコー製)を導入。2月から稼働している。
製氷機は、有戸漁港地区に設置。海底からくみ上げる海水をマイナス3度でシャーベット状に凍らせる。