上磯郡漁協上磯支所の定置業者は、9月から煮干しを生産している。その歴史は100年以上と古く「今から思えば6次産業化のはしり」という着業者も。カタクチイワシが主な原料で、釜で煮る温度や乾燥が品質を左右する伝統製法。今季も注文が殺到するなど人気を集めている。
日高・浦河沖のイカ釣り漁は群れが薄く、水揚げがまとまらない。日高中央漁協荻伏地区・北幸丸(9・7トン)の深澤洋一船主は「群れが固まるのが週に1回ペース。バラけていて漁場探しに苦戦する船が多い」と話す。
岩手県久慈市の久慈市場に水揚げするイカ釣船は17日、活じめスルメイカのテスト出荷を開始した。「イカ活チャ器」を使って沖で活じめし、発泡箱に「パウダースノー」を入れ10尾ずつ収容して高鮮度を追求、維持。漁獲量、金額が減る中、ブランド化でカバーを狙う。地元や首都圏で販売され好評を得た。
北海道の秋サケは10月後半に入り、シケも絡んで急激に水揚げを落とし、最終実績10~11万トンにとどまる様相も呈している。近年好漁のオホーツク・中部地区(常呂~雄武)も同様に縮小してきたが、ハシリの沖漁はじめ漁期前半の好漁から総体的には健闘。大所・東部地区の不振などで浜値が高止まりとなり、金額ベースでは昨年高水準だった常呂、紋別を除く4漁協が昨年比増で終盤を迎えている。
北海道内で鍋商戦が活発化している。今秋は気温の低下が早く、量販店ではここ3年の中で半月ほど前倒しでコーナーを開設。近年人気の塩味などスープの品揃えをはじめ、『ちょっとぜいたく』、健康志向などの消費者ニーズをとらえ、インストアパックで高級食材入りやコラーゲン入りなどセット物の差別化商品も展開、購買意欲の喚起を図っている。
網走漁協のけた引漁は、先週末で年間計画量を達成し、残り1週間で最後の追い込みをかける。水揚げ金額は23日現在で昨年に続き過去2番目に多い22億円となった。
名古屋市の大須商店街万松寺通りにある合資会社志那河屋(品川常吉社長)は、大正半ば創業の名古屋では数少ない昆布専門店。白口浜天然真昆布を原料に時間をかけて煮る自家製つくだ煮と、昭和初期から製造する酢昆布「鯱こんぶ」が看板商品だ。
一本釣ブリの船上活じめでブランド化に取り組む戸井漁協は、従来のえら切りに代わって新たに背骨切断を導入、品質向上を図った。着業者は「身はきれいな赤ピンク色を長く保つ」と自信を持つ。
岩手県大船渡市の水産加工業大手・及川冷蔵株式会社(及川勢三会長、及川廣章社長)は、直販独自企業ブランド「おいかわ」を立ち上げ、今春発売した「さんま骨抜太郎」を主体に前浜自慢の魚介類の加工品シリーズを商品展開している。丁寧な手作業による加工と徹底した衛生管理や鮮度管理、吟味した味付けなどが自慢。給食関連事業も活発に展開している。
エゾバカガイの稚仔発生調査を行っている湧別漁協は、10月初めの調査で例年より多い幼体を採取した。漁場全域で確認できたことから、関係者は今後の成長に期待感を膨らませている。