宮城県石巻市で2016年に設立、震災復興の歩みを地域ブランドの構築に変えてきた水産加工業者らの協同事業「石巻うまいもの株式会社」(木村一成代表、湊水産株式会社代表取締役)。参画10社が会社の垣根を越えた「バーチャル共同工場」を構成し、18年発売の「石巻金華茶漬け」シリーズは累計250万食を突破。「石巻金華」の統一ブランド認知を広げてきた。設立から10年、順調の要源流は「競合ではなく共存」にあった。
2025年の玉冷消流は、円安基調の為替相場を背景に欧米やアジア勢の堅調な買い付けが継続し、輸出主導の展開に拍車を掛けた。産地蔵前の製品相場は3Sがキロ7千円と過去最高値。オホーツク海の中心サイズとなった5Sでも6千円程度と前例のない水準に高騰した。しかし同年後半の輸出は米国の買い渋りも見られ軟調傾向に。26年の生産量も国内外で低水準と予想される中、中心サイズが小型となれば在庫がだぶつく可能性を指摘する関係者は多く、現状相場でのシーズン入りに警鐘を鳴らしている。
開洋漁業株式会社(青森県八戸市)は、天皇海山海域で漁獲する「船凍キンメダイ」の品質訴求と販路開拓を強化している。船凍品による高鮮度で生食商材としても人気。資源回復に伴う魚体の大型化で、供給も安定している。八戸市の地域ブランドに同社原料の加工品が認定されるなど実力も折り紙付き。国産の高品質原料として需要の底上げを図る。
岩手県の久慈市漁協が久慈湾で養殖する「久慈育ち琥珀(こはく)サーモン」が、生産増強へ順調なスタートを切っている。事業化5年目の今季、既存のものより大型のいけすを新たに2基増やし計10基体制でギンザケとトラウトサーモンを生産。全国的なサーモン需要の高まりの中、一層の増産体制が整った。特にギンザケに注力し、昨季実績の43%増となる千トンの水揚げを計画。トラウトは60トンの生産を目指す。
原材料費の高騰や人材確保などの課題に向き合いながら、新技術を取り入れユーザーのニーズに応え続ける造船業、搭載機器メーカー。水産業の持続的発展に欠かせない漁船建造関連業界の役割は年々高まっている。ここでは沿岸漁業を中心に活躍する最新鋭の新造船や、船舶業界をリードする関連企業の主力製品を紹介する。海水動力漁船は、FRP船が94.1%と圧倒的に多く、アルミ船4.9%、鋼船0.7%、木船0.2%。トン数ベースでは鋼船23.8%、FRP船62.7%と勢力を2分。アルミ船の割合は小さいが、近年はFRP船の廃船処理費用が多大であるなどの理由から、リサイクル可能なアルミ船が増加している。
宮城県漁協は11月27日、県産乾(ほし)のり「みちのく寒流のり」の今季初入札会を塩釜総合支所で開いた。県内8支所からの出荷枚数は、前年同日より10%増の1841万枚。100枚あたりの平均価格は同6%高の2767円(1枚27円67銭)。初日としては過去10年で最高値となった。九州・有明産の不作が続いた昨季からの高値傾向を懸念する声も聞かれる中、国内の先陣を切る宮城産への高い注目をうかがわせた。
宮城県南三陸町のマダコかご漁が16日から始まった。町地方卸売市場(志津川魚市場)では17日に167隻が4.9トンを初上場。数量は昨年の初日に比べ約1トン少ないものの、関係者によるとサイズは昨年より大きく1~2キロが中心。初日の取引は2200~1900円、平均単価は昨年より約3割高いキロ2070円。「西の明石、東の志津川」とも称される名産は、ご祝儀も兼ねた高値で幕開けした。
岩手県大槌町は8日、東京都内の大型ショッピングモール・ららぽーと豊洲で「岩手大槌サーモンフェスタ in 東京」を開催した。目玉は大槌サーモンのアピールで、特別メニューも用意。生きたままの稚魚も披露し、普段見ることができない子どもたちの笑顔を引き出した。見る・触れる・食するを通じ、大槌町が取り組む事業や町の魅力についてPRした。
岩手県の山田湾で養殖トラウト「岩手・三陸・やまだオランダ島サーモン」を手掛ける三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)は12日、試験養殖期間を含め5季目で初の自家生産種苗7トン(約1万5500尾)を海面いけすに投入した。秋サケふ化場を有効活用したもので、関係者によると「成育は順調」。同漁協は今季、県内他産地の種苗を含め40トンを投入、来年4月からの出荷を予定し、160トンの生産を見込む。
宮城県気仙沼市大島で、7月末に発生したロシア極東カムチャッカ半島地震の津波で甚大な被害を受けた養殖カキ生産者が身入りの良いカキを消費者に届けようと奮闘している。市によると同地域の被害額は約1億4千万円で、被災漁業者を支援するクラウドファンディングも実施された。むき身カキを出荷する株式会社ヤマヨ水産の小松武代表は「応援して良かったと思ってもらえるようなカキを届けたい」と懸命に前を向く。