羅臼漁協の春定置が始まり、序盤はサクラマスが好漁に恵まれている。一方トキサケはまだ少なく本格化していないものの、出足は組合全体で昨年同時期を上回る漁獲尾数となっており、着業者は今後の盛漁に期待を寄せている。
いぶり中央漁協の春定置は登別地区と虎杖浜地区の2軒が操業し、4月1日以降の漁獲尾数は15日現在で両地区合わせてトキサケ938尾(2.2トン)、本マス5万519尾(56トン)と昨年を上回る数量で推移している。サケマス類全体では7万7956尾(85.4トン)、3679万7364円(税込み)。
斜里第一漁協の有限会社北洋共同漁業部(伊藤正吉代表・漁協理事)は、定置網漁の自船「第二十一北洋丸」で水揚げした秋サケ、サクラマスなど漁獲物の加工販売事業で、冷凍自動販売機による拡販に乗り出した。地元道の駅「しゃり」の24時間開放エリアに設置。液体急速凍結の刺身を中心に地域住民、観光客らが手軽に購入できる販売スタイルで斜里産の消費拡大を目指している。
ニッスイグループの弓ヶ浜水産株式会社(鳥取県境港市、竹下朗社長)は15日、岩手県大槌町で養殖サーモンの水揚げを開始した。全量活じめ出荷が大槌産の特徴。鮮度保持や品質管理が徹底され、張りのある身と上品な脂乗りは生食に向いている。秋サケの不漁が続く中、養殖物でサケの町の再興を担いたいと事業化して3季目。6月中旬までにギンザケとトラウトサーモン(ニジマス)計600トンの生産を計画する。
岩手県の久慈市漁協(川戸道達三組合長)は7日、久慈湾で新たに養殖を始めたトラウトサーモン(ニジマス)を初出荷した。船上で保冷効果の高いシャーベット状の氷でしめた2.5トン。刺身やすし種用商材として引き合いが強く、4月11日に出荷が始まったギンザケより4割ほど高いキロ1300円台で取引された。6月下旬までに120トンの水揚げを目指す。
岩手県宮古市の宮古漁協(大井誠治組合長)は23日、宮古湾で養殖した「宮古トラウトサーモン」3.1トンを市魚市場に今季初水揚げした。実証試験の期間を含めると5季目。いけすを3基から5基に増やし、7月までに前季比2倍の250トンの生産を目指す。
岩手県山田町の三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)は、山田湾で養殖するトラウトサーモン(ニジマス)の今季の水揚げを開始した。2年間の実証試験を経て、事業化移行を果たした初年度。キロ1100円ほどの高値で取引されている。省力化を推進しながら、知名度アップと販路拡大を目指す。7月上旬までに前季比1.5倍の120トンの水揚げを見込む。
ひやま漁協熊石支所サーモン養殖部会が熊石漁港で養殖に取り組む「北海道二海サーモン」は、八雲町との試験養殖の枠組みが今年の水揚げで終了し、5月にはひやま漁協熊石支所サーモン養殖部会の髙橋聖治部会長、佐藤茂樹さん、平井徳之さんの3人が「合同会社二海サーモン」を立ち上げ、養殖いけすを新設し出荷体制を再構築するなど本格事業に移行する。
岩手県の久慈市漁協(川戸道達三組合長)は11日、久慈湾で養殖したギンザケ「久慈育ち琥珀サーモン」1.6トンを今季初水揚げした。需要の高まりや飼料など生産コストの上昇を受け、昨季より2割ほど高いキロ900円台で取引された。7月下旬までに660トンの水揚げを計画する。
宮城県の石巻魚市場に1日、県産のトラウトサーモン(ニジマス)が2年ぶりに入荷した。ギンザケ生産者の阿部郁也さん(有限会社グルメイト=本社・石巻市湊西=専務)が試験的に養殖した3トン。記録的な高水温が続く中、ギンザケより成長が早く、養殖期間を短縮できるトラウトへの関心は今後、買受人の間でも高まることが予想される。今季の入荷量は4月末までに計30トンを計画する。