東京都・豊洲市場のサンマ消流は10月終盤に入って2キロ箱13尾入れが入荷し始め、待望の良型商材に仲卸業者は高級店に販売展開している。一方で、11月以降は組成の小型化が予想されており、15尾入れの中心サイズもピークアウトした飲食需要に最後の売り込みを図っている。
「TOSPACK」シリーズで知られる真空包装機国内最大手の株式会社TOSEI(東京都品川区)は10月23~24日、食品容器の有力企業株式会社エフピコとのコラボ展示会を東京・五反田の同社ショールームで開催した。「ニーズの架け橋」をテーマに、真空包装・密着包装と容器・トレーといった両社の製品による相乗効果を引き出した。品質や作業効率の高さを示すとともに、人手不足の解消や食品ロス削減など業界が抱える課題に対応する食品包装の最新技術を発信した。
東京都・豊洲市場の北海道産シシャモ消流は品薄高値から需要の落ち込みが懸念されている。生鮮・干物の両製品とも仲卸業者らは荷受からの卸値を「社外秘」とするものの、利幅の狭い販売価格で展開。生鮮の広尾産のオスをキロ5千円で販売している仲卸業者は「顧客に現状より安くなる見込みはないことを伝えても漁が上向くことを期待して買い控えている。結局は希望通りの相場にならず買うのを断念するだろう」と悲観的な展望を話す。
ニチモウ株式会社とSPACECOOL株式会社は、猛暑により漁獲物の安定した鮮度保持が困難になりつつあるという漁業が抱える課題を解決するため、SPACECOOLが開発した放射冷却素材「SPACECOOL」を活用し、漁船の貯氷槽内の温度を下げることに成功した。千葉県船籍の巻網漁船2隻が漁業として初めてを導入したのを皮切りに、同県内で導入が進んでいる。
全国漁港漁場協会は24日、第73回全国漁港漁場大会を東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催した。全国から1250人の関係者が集まる中、舞立昇治農林水産大臣政務官、滝波宏文参議院農林水産委員長、水産庁幹部や関係団体トップらが出席した。漁港漁場整備長期計画が4年目を迎える2025年度に向け、大会では長期計画の着実な実行に向けて課題を共有するとともに、水産基盤整備事業予算確保への提言を取りまとめた。
潜水用スーツなどの製作販売・修理を手掛ける広尾町の「KANBARA(カンバラ)」(勘原賢三代表、電話01558・2・4876)は、浜の声を参考に一工夫加えた漁業装備品も製作。コンブなど船採りで使う膝当ては強度の高さと固定力に優れたつくりが特長で好評を博している。
東京都・豊洲市場で東北産活じめヒラマサに白身需要が出ている。ヒラマサは生物学上赤身魚に分類されるが、上品な白い身を持つため、白身魚の生食商材として活用される場合がある。今季は白身魚定番のヒラメが高騰し、秋に入りスズキの身質が低下。マダイは弔事などには使えないため、澄んだ白さをキープできるヒラマサに需要がシフトしている。
公益社団法人水産物安定供給推進機構は11日、水産加工業者などによる取り組み事例の報告会を東京都内で開催した。オンラインとの併用もあり、全国から多くの水産関係者が聴講した。参加者らは地域連携や補助事業の活用など優良な取り組み事例を共有し、原料難や原材料の高騰、人手不足といった厳しい環境下でも継続できる水産加工業の道筋を探った。
アンリツ株式会社はエックス線検査機にAI判定を加えた機能を提案している。AI判定機能は、製品厚みや形状、重なりなどに対して、大量の正常品、不良品のパターンを学習することで、検出精度を向上させている。誤検出率も低減し、生産ラインのさらなる歩留まり向上につなげる。異物のほか、個数の過不足や形状不良、シール部のかみこみなどの不良も見つけ出すことが可能となり、複合検査機としての利用を推奨している。
埼玉大学大学院理工学研究科の西山佳孝教授の研究グループは、水産研究・教育機構水産技術研究所と共同で、有害赤潮プランクトンの活性酸素放出と光合成の関係を解明した。プランクトン「シャットネラ」が細胞外に大量に放出する活性酸素は、魚毒性と高い相関関係にあるとした。赤潮の魚毒性がどの条件で高くなったり低くなったりするかなど詳細は解明されていないが、魚毒性診断技術の確立に向け、今回の研究成果は重要な知見になるとしている。