根室市水産研究所は、沿岸資源の回復・増大に向け、各種研究試験や種苗生産に取り組んでいる。花咲ガニは安定した生産技術をほぼ確立し放流尾数は近年連続して最多を更新。ホッカイシマエビも昨年、過去最高の生残率に達するなど飼育技術は着実に進歩。根室市が推進する増養殖事業の中核を担う研究機関として沿岸漁業の振興に寄与している。
北海道のコンブ生産は昨年、異例の大減産となった。釧路・根室を中心に一昨年の海水温上昇でコンブが抜けたとみられ生産は低迷。道内全体で初めて1万トンを割り込み、8千トン台まで落ち込む見通しとなっている。
2024年の玉冷消流は、自国生産の減少や保水加工の輸入不足に加え円安基調の為替相場を背景に米国の買い付け姿勢が強まるなど、海外輸出主導の展開となった。製品相場は米国がけん引する形で高騰。産地蔵前の3S相場はシーズン序盤でキロ3千円台に戻り、オホーツク海の操業終盤には4千円の大台超え。さらに年末は4千円台中盤に向かう強含みの状況となった。25年の米国生産も低水準予想で輸出主導型が続く見通し。国内消費の鈍化を懸念する関係者は少なくない。
日本を発祥としながらまずは海外で受け入れられ、そののち日本国内でも反響となることがある。ベトナムなど東南アジア地域で活躍するマイコック産業株式会社(石川県白山市、経塚陽一社長)が開発したエビの加工機。国内でも活躍するときをうかがっていたが、近年日本でもエビの陸上養殖が立ち上がっており、そのときが訪れる気配を感じさせる。世界で磨き鍛えられたのちに日本にやってくる、言わば“逆輸入”のようなことが、食品加工機械で起こりそうだ。
全国漁業協同組合学校(千葉県柏市、坂本雅信校長)の入学者数が2023年度に4人、24年度には3人と2年連続で過去最低を更新した。水産分野に明るい北海道の出身者はこの2年とも2人にとどまっており、学校関係者は危機感を募らせる。一方で、カリキュラムは現場体験型の授業もここ数年で拡張し、より有用な人材の輩出を図る内容にアップデート。学校のPRにも今まで以上に力を注いでいる。
道産食品セレクトショップ「北海道四季マルシェ」やECサイトを展開するJR北海道フレッシュキヨスク株式会社(札幌市、電話011・271・3101)は、ブライべートブランド「DO3TABLE」(ドーサンテーブル)で各地の秀逸品を発掘、魅力を発信している。道産素材・道内加工を基本に独自の視点と実食で選んだ道内食品メーカーの商品の価値を、食シーンの明確化や容量など規格の磨き上げで高める。併せて共同開発商品も打ち出し、販売拡大の一翼を担っていく。
水産業に深刻な被害を及ぼす赤潮。その対策として、防除剤(粘土)を含む水溶液を散布して赤潮の原因となるプランクトンの除去が行われている。ただ、その散布は人手で行うことがほとんどで、効果範囲が限定的との指摘もある。総合商社イービストレード株式会社(東京都千代田区、寺井良治社長)のグループ会社・エビスマリン株式会社(長崎市、寺井良治会長)は、自社開発の水流発生装置を活用して効率的な防除剤の散布を導き出している。ダムや湖沼の水質改善で実績を積んできて、赤潮への対策の検証も始めた。グループ本体には水産事業部も立ち上げ、水産業界への提案を加速させている。
北海道の秋サケは漁期前予測並みの約4万3700トンと、平成以降最低の水揚量に落ち込んだ。製品の繰越在庫が払底下、生鮮需要や加工原料の確保で魚価は高騰し、水揚額は400億円を超えた。ただ、来遊経路が局地化し、大半の浜は低水準の来遊数が定置や漁協の経営、増殖事業の運営を直撃。消流はロシア・北米のマスも不漁で国内搬入が乏しく、魚卵を中心に品薄感は出ているものの、空前の高値形成による消費減退、需要先縮小も懸念される。
白糠漁協のホッキけた引漁が12月に始まった。出足は1隻当たりの日量上限を400キロに設定して操業。浜値はハシリに大でキロ600円台、中で500円台と好値を付けたものの徐々に下げている。着業者は「それでも例年に比べると高い」と話している。
水産庁は11日、水産政策審議会資源管理分科会を東京都内で開き、クロマグロ2025管理年度の漁獲可能量(TAC)について諮問し、承認された。3日に閉幕した中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)年次会合での増枠決定を受け、水産庁が国内配分案を掲示。大型魚では、沿岸漁業の都道府県で2990.7トン、大臣管理漁業で5304.8トン、小型魚では都道府県で3066.0トン、大臣管理漁業で1292.0トンとした。