オホーツク海沿岸の水揚量(速報)が10月末で30万トンを突破した。漁場造成を含め前年同期比3%減の30万950トン。北部の宗谷、猿払村、頓別、枝幸、南部の雄武、沙留、紋別、常呂の計8単協が計画超え。歩留まりは10%前後と下降し、組成は4S、5Sが増加傾向、キロ200円を割り込む浜が増えた。6単協が3万トン以上となり終盤戦を迎えている。
オホーツク海北部(宗谷・猿払村・頓別・枝幸漁協)の水揚げは、漁場造成を合わせ10月中旬で累計12万8千トン余り。22日時点ですでに頓別、枝幸漁協が計画を達成し、前年実績も超えた。上期の歩留まりは9~11%台に下がり、アソートは依然3S中心だが4S、5Sも増加傾向。浜値は弱含みで200円台を維持しつつも100円台後半に下げた浜が出てきた。
オホーツク海南部(雄武・沙留・紋別・湧別・佐呂間・常呂・網走・西網走漁協)の水揚げは、漁場造成を合わせ10月中旬で約16万トンに達した。前年同期と同水準で推移している。2単協が計画を達成しており紋別が115%、雄武が113%。常呂、沙留も98%と順調だ。歩留まりは11~12%、アソートは3Sまたは5S中心。高値はキロ200円台を継続している。
小平産ホタテの商品開発、販路拡大に向け、新星マリン漁協臼谷地区帆立養殖部会の有志が「うすはまフーズ株式会社」(岸良斉社長)を立ち上げ6次化に取り組み始めた。ベビー貝の「レンチンホタテ貝」や3年貝の「味付ほたて貝柱」を主力に独自の凍結製法で商品化。食品ロス軽減を念頭に食べ切りサイズで販売開始した。岸良社長は「居酒屋チェーンなど業務筋の販路拡大も視野に対応したい」と意欲を示す。
噴火湾の加工貝(2年貝)出荷は、いぶり噴火湾漁協伊達支所の「早出し」が3日に始まった。序盤は1軒で日産3トン余りの水揚げ。初日は前年比41%高のキロ350円と堅調な滑り出し。13日は2軒で日産6トン半に増えている。
オホーツク海沿岸の9月末水揚量(速報)は、漁場造成を含め前年同期比2%減の26万4230トンとなった。計画達成率は91%。雄武、紋別が計画を達成した。宗谷、猿払村、紋別、常呂が3万トン台。猿払村は先週で4万トン超え。6単協が前年同期を上回っている。歩留まりは下降ぎみで11%台が増加。中心アソートは3Sだが4S、5Sも増えてきた。浜値はキロ200円台前半から後半まで差が大きい。200円を割った浜もある。
ホタテ玉冷の消流は、コロナ禍の反動に伴う海外の需要増大とインフレによる急激な円安で、輸出主導の消費形態となったが、最近は米国、EUとも物価高による景気後退不安もささやかれ、関係者は「今後の展開が読みづらい」と苦慮している。一方内販は、仕入れコストの上昇で価格転嫁を余儀なくされる量販店が特に苦戦。関係者は年末に向け、規制緩和に伴うインバウンド需要や国内旅行者の消費回復に期待を寄せている。
青森県陸奥湾の稚貝の分散作業は、9月末から一部の漁業者がスタートした。今年は西湾中心に極度の採苗不振となり、選別の通し下も採取しているため、作業を遅らせ成長を待ってから手をかける地区が多くなる見通し。地域内で融通し合いながら採取したが、例年の2~3割程度に落ち込む漁業者も多く「分散作業は2番手も無駄にしないよう進めたい」と気を引き締めている。
留萌管内の韓国向け活貝輸出が堅調だ。4~8月の出荷量は4単協(遠別・北るもい・新星マリン・増毛漁協)合わせ前年同期比4割増の約4千トン。浜値はキロ300円台前半だった昨年の2倍に高騰した。生存率が良く輸出業者の引き合いが強まり、序盤から高値のまま終盤を迎えている。
サロマ湖内の養殖は、3単協(常呂、佐呂間、湧別漁協)とも稚貝分散や耳づり、成貝出荷と、各自のペースで作業が進んでいる。稚貝はやや小ぶりだが必要量は確保し本分散をスタート。分散前後に行う耳づりも成育状況は良好だ。成貝出荷は大半がピークを過ぎ終盤を迎えている。