青森県外ケ浜町の龍飛ヒラメ養殖生産組合(伊藤文雄代表)はマツカワとウスメバルの養殖を事業化、本格出荷を始めて10カ月になる。出荷サイズはマツカワが800グラム以上、ウスメバルは平均180グラムで、そこまでの生残率がいずれも9割を超えるなど生産は安定。販売も県や町のバックアップがあり順調だ。県水産総合研究所(水総研)はマツカワ稚魚の供給を千尾規模から1万尾に拡大する。
東北地方の水産物・水産加工品が一堂に集結する「東北復興水産加工品展示商談会2018」が12、13日、仙台市で開かれた。4回目となる今年は、昨年より20社ほど増えて134社が参加し規模も拡大。一般展示ブースに新商品、自慢の逸品を取りそろえたほか、個別商談会、提案型の商品プレゼンテーションを展開。震災復興に向けて奮闘する東北の水産業界が連携し、国内外のバイヤーに加工技術や商品力をアピールした。
旬を迎えた宮城県のホヤが水揚げで苦戦している。殻付き出荷は過剰感が強まり思ったほど水揚げできない生産者が多い。価格は低下、海中での滞貨も危惧される。むいて活路を見いだす石巻市寄磯地区の生産者は18経営体が1日約30トンをむき身にして出荷するが、過剰感の影響が出てきた。
石巻市の株式会社ヤマナカは13日、ベトナムに殻付きカキの本格的な輸出を開始した。現地飲食店向けの冷凍で、殻付きカキが周年消費される海外市場に突破口を開く。7月にはタイやシンガポールなどとの取引も始まり、今年度は合計100トンほどを見込む。JAPANブランド育成支援事業の一環。
イオンリテール株式会社は1日、東京・埼玉の「イオン」「イオンスタイル」のうち限定5店舗で「福島鮮魚便」コーナーを設置、福島県で水揚げされた水産物の販売を始めた。来年2月28日まで展開する。
「神経じめは歯応えが良くなりうま味成分が上がる魔法のような処理」。新潟漁協岩船港支所(新潟県村上市)は2日、同支所直売所で「ヒラメフェスティバル」を開催、「白皇鮃(はくおうひらめ)」の神経じめ処理を実演した。商標登録したブランドの品質アピールと岩船港産の知名度向上、価格アップが目的だ。
岩手県のウニ漁が6月に入り活発化、期間入札する漁協で4、5日に初開口が相次いだ。南部の気仙、釜石両地区ではむき身の選別で苦労し出荷量が伸びない。昨季と同様に餌の海藻が不足し身入り、色ともいまひとつの個体が多いためだ。北部の宮古地区は海藻が増え身入りが上がっている模様。全体的には今季も出荷量が不足気味で推移するとみられる。
松前さくら漁協所属の中型イカ釣船「第七十八寿々丸」(鋼製199トン)がこのほど竣工した。気仙沼の造船所4社などが設立し、今春新体制で業務を開始した株式会社みらい造船吉田工場の第1号船。安定性の高さと推進抵抗を軽減した省エネ型の船型が特長。6月から日本海をメインに操業する。5月23日に地元・松前港でお披露目し餅まき、同28日は函館市内のホテルで竣工祝賀会を開き、同漁協では20年ぶりとなる新造を祝った。
三陸沿岸でまひ性貝毒が猛威を振るい、宮城県ではホタテへの影響が深刻だ。5月30日現在、生産海域全てで出荷自主規制が続き、生玉加工向けも含め全く水揚げできない。規制はかつてないほど広域、長期化。貝毒原因プランクトンが各海域に流入した可能性が挙げられる。成長により需要の高いサイズを超えたり、水温が高まる夏場の死滅が心配される。
ハシリ不漁の石川~山形4県の釣りスルメイカは5月31日、水揚げが約1万7000箱と上向いた。金沢市場で8日ぶり2回目の6000箱超となったほか、酒田5300箱、岩船1200箱、佐渡1300箱といずれも今季最高、新潟港でも1900箱に上った。酒田~新潟入港船は酒田南西沖の「カマ」漁場で1隻平均150~200箱前後とまとまり、30尾3~4割、バラ6~7割。北上群先端は飛島沖とみられる。