紋別漁協の延縄漁は、夏場前半からマダラが苦戦、漁場の近いカスベに切り替えている。水揚げは例年より多いが、浜値は徐々に下がりキロ100円台後半と弱含み。
道南太平洋海域のスケソ刺網が1日開幕した。今季TACは昨季より400トン増の4万8500トン。資源調査による海域平均の魚探反応量は昨年を下回っており、今季も厳しい水揚げが予想される。
日高中央漁協のコンブ採りがほぼ終漁した。盆前まで順調に採取したが、8月後半に相次いだ台風で沖止めが続いた上に抜けて流失。着業者らは「いい時期に採れなかった」と口をそろえ悔しがる。ただ採取日数は昨年を上回り、計画並みの生産となる見通しだ。
8月末の台風10号による噴火湾のホタテ脱落被害は、8単協合わせ7800トンに上った。このうち来春に出荷する予定だった加工貝は約5400トンの見込み。森は加工貝、八雲町は3年貝を中心に各2000トンが脱落している。今年はへい死の発生割合も異常に高く、来季は大幅な減産を余儀なくされる。
函館市の有限会社坂井商店(坂井雄二社長、電話0138・47・3009)は、南かやべ漁協の定置網業者と二人三脚で神経じめでの高品質出荷に取り組んでいる。同社の坂井貴博専務が自ら船に乗り込んで選別、神経じめなどを実施。水揚げから出荷までの工程を一つ一つ見直し、魚に与えるストレスを最小限に抑える工夫を積み重ねている。提供先の飲食店からの評価は高く、道内外をはじめ海外の料理店からもリピート注文を得ている。
北海道の秋サケ定置は9月漁が平成24年以来4年ぶりに4万トン割れとなった。知床半島先端を中心にオホーツクの一部や羅臼が善戦しているほかは低調で、特に日高など太平洋沿岸での極端な不振が影響。最終実績10万トン割れの様相を呈し、ハシリから昨年より高値に張り付いていた浜値は9月最終週の加工盛期に入ってさらに上昇、いくらなど製品価格の修正は避けられない情勢だ。
南かやべ漁協のスルメイカ釣り漁は前年を大幅に上回っている。9月26日現在で前年同期の3倍以上。水揚げ自体は低調だが、今年は釧路沖が振るわず、前浜での操業隻数が多い。浜値も堅調で金額は前年の6倍に伸長している。
寿都町の株式会社山下水産(山下邦雄社長、電話0136・62・2023)は昨年来、レトルト食品の商品展開に乗り出した。水産具材の炊き込みご飯の素=写真=とスープの2種類を投入。従来、冷凍・冷蔵品がメーンで、保存性の高い常温品は新分野。台湾輸出など新たな販売チャネルの開拓につなげている。
神恵内、泊、岩内の後志管内3町村は来年度、前浜産ナマコの中国輸出を担う地域商社を設立する。産地から中国の需要先に直接販売できる体制を確立。中国人など輸出業者を介した現行の流通から産地直送に取り組むことで、北海道産のブランド力の維持・強化と併せて漁業者や漁協、加工業者など産地の高収益化を目指す。
函館市漁協(瀧川久市組合長)は今年度から函館市と共同で漁場整備事業を行う。磯根資源の増大を目的に磯焼け漁場の改善などを実施。今年度は雑海藻駆除、来年度は天然石の投石による漁場造成を計画している。