9月前半低調に推移した道東沖のサンマ漁は同月後半に入って回復、1000トン台中心の日量が続いた。道東4港(花咲、浜中、厚岸、釧路)で多い日は1870トンを水揚げ。漁業情報サービスセンター道東出張所のまとめによると、9月20日現在の4港累計数量は前年同期比60%増の1万9308トン(延べ隻数15%減754隻)。1隻当たりで同88%増25.6トン。魚体は序盤に比べて小型に傾斜。浜値は弱含み。
昆布森漁協の成コンブ漁が終盤に入った。今季はナガの繁茂状況が良く、9月下旬現在でも多くの船がカギ採りで水揚げ。一方でねじり採りのアツバは「若い」との声が多い。
日本海のかご養殖で成貝のへい死が数年続いている。寿都町漁協では今年も多発しており、水揚量は昨年に続き50~60トンと低水準の見通し。小樽市漁協や留萌管内でも増加傾向にあり着業者は頭を抱えている。
北海道の秋サケ定置は昭和50年代後半の水準に落ちた昨年同様、9月漁は3万トン割れとなった。今季は4年魚が7割と極端に傾斜する予想で、10月に盛り返す余地も残っている。台風24号の進路次第で足踏みも懸念されるが、秋サケの生産・消流は佳境を迎える。
道機船連(山田邦雄会長)は、近年北海道で水揚げが増えているブリを使った学校給食向け製品2品を開発、2学期から道内の学校給食に採用された。このほど第一製造ロットの出荷を完了。現在、学校給食には年間90万食を供給しており、新規採用の2品で10万食を上積み、100万食の供給を目指す。
帯広市の住宅街(西16条南4丁目)に8月下旬、鮮魚店が十数年ぶりに新規開店した。「魚道(うおみち)」(電話0155・67・1180)を店名に掲げ、「魚の道を通し、お客さんに幸せを届けたい」と、水産会社出身の能本博道店主。帯広市地方卸売市場株式会社から調達する鮮魚介類の品ぞろえ、調理サービスなどに加え、刺身商品を充実。特に養殖本マグロは特定ブランドにこだわり熟成処理を施している。
道漁連など水産関係11団体は9月27日、胆振東部地震による停電で水産物供給ネットワークが機能停止に陥るなどの事態となったことを受け、北電や道経済産業局、道に対し、万全な電力供給体制の構築などを要請した。
小樽市漁協のたこ箱漁業部会長を務める日登貞美代行理事(第八日登丸=4.4トン)は、箱の巻き上げ時に入口側が上を向くよう枝縄を結び、特に夏場の水温差で逃げ出すタコを極力減らしている。タコ箱の構造など漁具・漁法を聞いた。
釧路市東部漁協は今年、試験的に釧路川でのアサリ漁に乗り出した。若手漁業者5人で組織する同漁協潜水部(髙嶋啓二部長)が着業。殻長5.2センチ以上を採捕対象とする大きなサイズが特長。砂出しに加え、殻を丁寧に磨き汚れをきれいに落として出荷する。同川に架かる幣舞橋にちなんで「釧路ぬさまい浅利」と命名。地元釧路のほか札幌にも流通している。
同漁協によるとウニなどの養殖業を模索する中、同川の水質調査をしたことが始まり。その際に大きなアサリが生息することを確認。関係機関の許可を得て6月に操業をスタート。他地区に倣い7~8月を禁漁し9月に入って再開した。
数の子のブランドメーカー、留萌市の井原水産(株)(井原慶児社長)は、腹出し後の柄ニシンの有効活用など新たな商品展開に取り組んでいる。昨年春には初の常温品「おつまみにしん」を商品化。導入したGSK(株)(大阪市、小屋敷一雄社長、電話06・4302・3470)の特殊冷風乾燥機を基盤に位置付け、さらに商品の拡充を進めていく。