釧路市東部漁協の成コンブ漁が終盤を迎えている。9月に入ってねじり採りするアツバが全般的に薄生い。そのため繁茂しているナガをカギ採りする船も多い。
7月1日に解禁し9月21日現在20回操業(7月8回、8月6回、9月6回)。流氷被害で低調に終わった昨年の累計採取日数(13回)をすでに上回っている。
ひだか漁協富浜地区のシシャモ刺網漁は、ほぼ昨年並みの水揚げペースで、浜値もキロ2千円台を堅持している。ただ、マイワシが大量に掛かる状況が例年になく続き、着業者は網外しに苦労している。
8月中旬から下旬にかけて操業を開始し、9月17日現在3隻が着業。15日現在で数量が前年同期比6%減の1069キロ、金額は19%減の267万3千円、キロ平均単価が14%安の2500円。
日本海のスルメイカは北部の武蔵堆に漁場が形成され、北るもい漁協の水揚げが続いている。日産平均2千箱前後で1箱20尾主体にサイズアップ。発泡中心だが最近は木箱も増え28日は発泡の3倍強に当たる2200箱。高値傾向にある発泡は7月のキロ2千円台から千円高の3千円台と好値だ。
噴火湾一帯で、採取したばかりの稚貝が大量にへい死している。地区間で差はあるものの、特に深刻なのがいぶり噴火湾漁協の虻田、豊浦、礼文地区。漁業者によると仮分散後の8月末時点で1漁家当たり8~9割が死滅しているという。渡島管内6単協でも例年以上のへい死を確認。このため全道各地の養殖漁家から緊急調達する動きが相次いでいる。
北海道の秋サケ定置は9月後半に入って日量が増えてきたものの、20日現在で昨年比1割増の低調ペース。今年は魚体サイズが全道的に極度に小型で、尾数に比べ重量の伸びが落ちる状況。浜値はメスが昨年比3割安ながら、ジリ高の展開も見せている。
道漁連の集計によると、日曜休漁明けの17日に1300トンと初めて千トンを超え、20日まで500トン、980トン、1100トンと上向き、今後の伸びに期待がかかる。
日高管内の秋サケ定置では、ひだか漁協の三石、静内の両地区中心に沖網が入って本格操業の10日からブリが大量乗網した。1カ統で100トン以上の集中乗網もあり、17日以降は落ち着いたものの、1週間余りで500トンを超えるハイペースの水揚げを記録している。
同漁協では2011年以降、秋サケ定置にブリの乗網が急増し、12年570トン、13年458トン、14年246トンなどと推移。今年は17日現在で535トンと既に昨年実績(194トン)の2・8倍、金額も1億4555万円と2倍に達している。
日高中央、えりもの両漁協管内は少なく、ひだか漁協も全16カ統のうち、三石地区の2カ統、静内・春立地区の1カ統の計3カ統に局所的に集中。新冠以西は多くても日量数トン程度にとどまっている。
北海道の秋サケ定置漁は全地区が操業を開始し本格化した。出足は台風21号や胆振東部地震による停電の影響で生産、流通とも足踏みとなり、挽回に期待がかかる。昨年の凶漁、異常高騰で売り場が縮小し、今季の価格形成は手探り状態。浜値は低調な水揚げにも冷静に発進しているが、盛漁期に向かって今週からの日量水準に商戦の行方が懸かっている。
札幌市の丸本本間水産株式会社(梶原博之社長、電話011・756・3011)は、主力の数の子で通年消費を追求している。めんたい、マヨネーズなどさまざまな味付けや、パスタ向けなど料理具材での提案で食シーンを拡大。また、さけとばで各種商品を展開してきた珍味では、今年5月に初のホタテ商品も打ち出し、総合食品企業へ舵を切っている。
南かやべ漁協で主力となる促成は、水揚げが終わり製品化が進んでいる。6月に一部で潮流による施設被害が発生したが、おおむね順調に揚がり計画数量(2500トン)は上回る見通し。一方で今季はコケムシの付着が目立ち、着業者を悩ませた。
道東沖のサンマ漁は、昨年の水揚げを上回る好調な出足となったが、9月に入り状況が一変。ロシア水域から公海まで漁場を拡大したが、9月前半は道東4港(花咲・浜中・厚岸・釧路)で日産100トン前後と薄漁。一斉帰港した11日は久々に1000トンを超えたが翌12日は23トンと差が大きい。浜値は一時キロ100円台に下がったが10日以降は700円台で推移している。