促成マコンブの試験養殖に取り組む八雲町漁協の養殖コンブ研究会(川村忠夫会長、20人)は、このほど最初の間引き作業を行った。昨年12月後半から約1カ月で2倍の長さに伸びたコンブも見られ、川村会長は「順調に成長している。作業工程も問題ない」と一安心。今後の成長に期待を寄せている。
昆布森漁協青年部(能登崇部長)が試験的に取り組むトロロコンブ養殖。昨夏収穫分は全般的に生育が良く、従来の刻み加工(生)に加え新たに乾燥品も生産した。
天然資源が減少する中、養殖の可能性を探るため釧路地区水産技術普及指導所の協力で数年前に開始。昆布森漁港内に施設を設置、のし2本で養殖する。
道は2月21日に2020年度当初予算案・19年度補正予算案を発表した。20年度一般会計予算案の水産関係分は321億3648万1千円で、今年度比3・3%減。噴火湾のホタテへい死対策の海洋観測システム整備、ICT技術を活用した漁場把握や生産体制分業化モデルの構築によるコンブの生産増大対策などを新規に盛り込んだ。
野付漁協の尾岱沼漁港で荷揚げする根室海峡共同海区は、2月から5海域に増え日産250~260トンと順調だ。野付単有は歩留まりが11%に上がりキロ300円台と堅調。新型肺炎感染拡大に伴う中国便の運休・減便で活貝需要は停滞したが「内販の玉冷、生鮮で消費されている」(同漁協市場)ようだ。
「オイシイ。でツナガリタイ。」をキャッチフレーズに、常呂漁協の若手漁業者が設立した「マスコスモ合同会社」(川口洋史社長)の販売するカキが、札幌市内はじめ関東、仙台を含む約16店舗の飲食店で堂々のデビューを果たした。北海道イタリアンバル「ミア・ボッカ」が期間限定パスタの「北海道サロマ湖産カキとホエー豚ベーコンのクリームソース」に使用。3Dフリーザーで急速冷凍させたカキに、札幌北2条店料理長は「身がぷりぷりで鮮度がよく手を加える必要がない。売れ行きも上々」と太鼓判。川口社長は「この規模の取扱量は今回が初めて。ミスなくこなしたい」と力を込める。
加工貝(2年貝)の本格出荷を目前に控えた噴火湾では、冷凍両貝を輸入する中国からの引き合いが止まり、先行き不透明感が一段と強まっている。噴火湾加工業者によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国国内での消費停滞が著しく、工場稼働を停止した水産加工業者もあるという。
鹿部漁協のゴッコ刺網が苦戦している。1軒当たりの日量は前年同期の3割程度。薄漁を映しメスはキロ400円台~300円台の好値を維持しているが、着業者は「水揚げが少な過ぎ」と肩を落としている。
北海道の食品メーカーが地域資源を原料に開発した商品の品評会「第27回北海道加工食品コンクール」(北海道食品産業協議会主催)で、水産品では釧路機船漁協(電話0154・43・3411)が釧路産スケソで商品化した「お魚ギョウザ」=写真=が北海道食品産業協議会会長賞に選ばれた。
余市郡漁協唯一の女性漁業者で水産庁の水産女子プロジェクトに参画する川内谷幸恵さんは、昨年12月から生産品を消費者に直接販売できるスマホアプリ「ポケットマルシェ」で自身が漁獲したヒラメやアンコウ、ソイなどの直販に取り組んでいる。余市町内の鮮魚店・有限会社一鱗新岡商店とのコラボで津本式の神経抜き処理などを施したアンコウやヒラメなども一部出品。水産物の付加価値向上に挑んでいる。
散布漁協のウニ養殖は1月末現在で、数量が前年同期比10%増の23トンと増産。キロ平均単価も同8%高の5652円に上昇、金額は同18%増の1億3000万円(税込み)となった。3年連続の1億円台に乗せ、過去最高額だった前年度を上回るペースで推移している。