総務省の全国家計調査によると、昨年1年間で1世帯(2人以上)当たりが購入したホタテの平均数量は、前年比26%増571グラムとなり3年連続で増加した。世帯主年齢階級別では全世代が増加、29歳以下は2倍に伸長した。安価に加えコロナ禍に伴う家庭内消費が大きな要因とみられ、国内需要は回復基調をたどっている。
鹿部町の(有)一印高田水産(髙田大成社長、電話01372・7・2013)は今年、噴火湾産のスケソ卵でつくる主力の塩たらこを一新した。合成着色料・発色剤(亜硝酸ナトリウム)不使用で商品訴求の不可欠要素となる「紅色」の色合いを備える新製法に改良。より体にやさしく、消費者が安心できる商品の提供で差別化に臨む。
砂原漁協でホタテ・カキ養殖などを営む岩井漁業部(岩井久樹代表)は、自ら生産したホタテのむき身、カキのボイルなど加工品を作り、地元道の駅「つど~る・プラザ・さわら」で販売している。地域住民や立ち寄り客らの需要をつかんで、手軽に購入できる土産品の一品に定着。今年からムール貝のボイルも新たにラインアップした。
道は19日、2021年度当初予算案・20年度補正予算案を発表した。21年度一般会計予算案の水産関係分は309億3035万5千円で、今年度比3.8%減。サクラマス・ナマコなどを対象魚種に新たな養殖業の事業化推進や秋サケの回帰率向上のための効果的な稚魚放流・種苗生産体制の整備などを新規に盛り込んだ。
八雲町漁協のホッキ漁は、4隻で日量約500キロの水揚げ。サイズは良好で大・中主体の大型が大半を占めている。ただ今季の海区は資源量が少ないことから、例年の半減ペースと苦戦。着業者は「想定していた漁模様だが厳しい水揚げ」と肩を落とす。一方、浜値はキロ450~300円台前半と昨年並みで推移している。
「知内かき」の名称でブランド展開する上磯郡漁協中ノ川地区の養殖カキは、例年に比べ身入りが遅いものの徐々に向上。2月中旬は多い日でむき身300キロ前後を出荷している。
根室の若手漁業者8人でつくる「ノースクルーズ」の氷下待網オーナー制度が2年目の日程を終えた。漁業体験をメインに魚種や伝統漁法を学べる内容で他のオーナー制と差別化。子どもも楽しめ食育にもつながることから家族連れも多く参加。小向純一代表は「2年続けて参加してくれた方もいた」と手応えをつかむ。一方で、来年に向け周知の強化を課題に挙げ、新たに単文投稿サイト「ツイッター」の活用などを検討していく。
南かやべ漁協(鎌田光夫組合長)が木直漁港内に建設を進めていた製氷・貯水施設が完成した。全面建て替えで製氷・貯氷能力とも旧施設の1.5倍に増強。近年定置網漁の主力魚種となったブリの集中水揚げ時など氷需要の増大に対する安定供給体制を整えた。漁獲物の消流拡大への基盤となる鮮度保持機能の強化で魚価の安定・向上につなげていく。3月のエビかご漁解禁から本格稼働する。
札幌市の水産卸小売販売・カネイシフーズ株式会社(石崎圭介社長、電話011・787・0777)は、タイ・バンコクに直営店を構え、毛ガニなど北海道産を主体に活輸出・販売を手掛けている。水槽を設備し安定供給体制を構築。鮮度の良さなどがSNSを通じて広まり、高級すし店など業務筋の需要先が伸長。来店や宅配の注文で消費者の購入も増えてきている。
歯舞漁協で5日、フノリ採りが始まった。歯舞漁港近くのポンコタン地区では、数十人が「ゼンマイ」と呼ぶ専用漁具を手に、岩場に繁茂したフノリを採取。「例年に比べ短い」と話す着業者が多かった。