大津漁協のエゾバイツブかご着業船は船に選別機を搭載、出荷サイズに満たないものは海中還元を徹底している。
コンパクトサイズでブリッジ前などに搭載。水揚げしたエゾバイツブを投入、網状の回転式ドラム内でふるい分けられる仕組み。ドラム下に受けかごを用意、目から落下してきたエゾバイツブは出荷せず海中還元する。
住宅リフォームの設計施工や貸倉庫業などを営む株式会社SUUMA(札幌市、須間友美社長、電話011・676・5937)は、酸水素ガスを使ったエンジン燃焼室のクリーニング事業を昨秋に始めた。漁船エンジン内部に付着したカーボンを取り除き、燃焼効率の向上やエンジンの負担軽減を実現。石狩湾漁協の漁業者を中心に口コミで評判が広がり、道内各浜から受注件数が右肩上がりで伸びている。
渡島噴火湾のエビかご春漁が振るわない。3単協(砂原・森・落部漁協)とも1隻日量数十キロと苦戦しており、3月後半から2~3日留めの操業が続いている。組成は中主体。浜値は大がキロ5千円台と堅調。着業者は「高値でも数量が少な過ぎてカバーできない。リリースの小エビが薄く秋漁も心配」と気をもんでいる。
日高管内の一部の浜では、シーズンオフの干場にシートを被せて保護している。風によってバラス(玉砂利)の上に砂が堆積するのを防ぐ。浦河地区の高桑陵さんはブルーシートの隙間からも砂が浸入しないよう風向きを考慮した敷き方に工夫。加えて通常のシートより耐久性に優れるUVタイプを使用、劣化による異物混入防止にも配慮する。
渡島噴火湾では6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)とも耳づり作業の最盛期に入った。地区や産地によって成育状況は異なるものの、大半の着業者は「変形貝が少なく昨年より成長している」と好感触。5月中の終了を見込んでいる。
東しゃこたん漁協の佐藤正樹副組合長は道総研中央水産試験場と手を携え、積丹町神威岬近くで岩ノリ(ウップルイノリ)の増殖事業を推進している。佐藤副組合長は「今年の繁茂状況が一番だった」と話す。
羅臼漁協のバフンウニたも採漁は3月の操業日数が伸び、数量・金額は昨年を上回るペースで推移している。うに漁業部会の濱田久吉部会長は「餌となるコンブなど海藻類の繁茂状況が芳しくなく身入りが悪い。それでも操業回数でカバーしている」と説明する。
網走漁協のホタテ稚貝養殖船「第十八翔由丸」(15トン、アルミ)がこのほど竣工、4月14日に母港・網走港でその雄姿を披露した。操作性・安全性の向上はもとより稚貝出荷作業の効率化を重視。船主のほたて養殖部会副部会長・田口公司さんは「希望通りの船体に仕上がった。前船より大型化し安定性も増している」と大満足。5月末に始まる稚貝の出荷作業で本格デビューする。
飲食業などを営む札幌市の株式会社WINST(加藤大吾社長)は、新規事業で水産加工に乗り出した。常呂漁協の若手漁業者で組織する「マスコスモ合同会社」(柏谷晃一代表)など産地仕入れの北海道産を扱う「あくと水産」と、規格外魚の有効利用など食品ロス削減活動を掲げる「SFPlab」の2ブランドで商品展開。「楽しい」の演出を加えた「新たなおいしい」をコンセプトに全国発信に臨んでいく。
留萌管内のエビかご漁が3月に始まった。主力のナンバンエビは北るもい、増毛漁協とも低調な水揚げ。1航海で日量千箱に届かず本来の漁模様には程遠い状況。中心サイズの小はキロ1500円前後と安値基調。薄漁に加えコロナ禍の魚価安が追い打ちを掛けている。