道総研釧路水産試験場は本年度から、計量魚群探知機を用いた音響計測手法でコンブなど大型海藻類の判別・繁茂状況を調べる技術開発に取り組む。音響反応で種類を判別するとともに、水中カメラでも確認。季節を変えて年に数回行いデータを取得、精度を高めていく。
道東のコンブシーズン到来を告げるさお前コンブ漁が始まった。歯舞、根室、落石の根室管内3漁協が操業する貝殻は、漁模様こそ船間差が大きいが生育は良好。「さお前としては最高の質」との声もある。釧路管内では釧路市東部漁協が先行して始まり、繁茂・生育はばらつきがある模様。道水産物検査協会の格付実績によると昨年のさお前は両管内とも伸び悩んだだけに、今季の順調操業と増産に期待がかかる。
釧路市東部漁協の若手漁業者らでつくる「鮮魚チーム」のブランド「CLASSIC FISH」が2年目を迎えた。かごで漁獲したアイナメを中心に良型を厳選し餌吐き、神経じめや放血、内臓除去を施し鮮度保持効果のある窒素氷で荷造りしたもの。今季は第三十八昭盛丸が先行して操業しマダラ主体に出荷。価格は野じめを大きく上回り、コロナ禍でも極端な下落はなく堅調に推移している。
余市郡漁協や余市町などで構成する余市ムールガイ養殖研究協議会(会長・篠谷誠同漁協組合長)の今季水揚げが5月11日で終了した。余市港内で養殖するムールガイの身入りが芳しくなく、殻長4センチ以上が対象の製品出荷が1.1トンと前年を400キロ下回った。一方でコロナ禍にもかかわらず、品質の高さなどが評価を得て、東京や札幌の飲食店などからの引き合いが堅調。同漁協の担当者は「出荷分を全て販売できた」と振り返る。
いぶり中央漁協登別・虎杖浜地区のかご漁は主力のヤナギダコの水揚げが伸び悩んでいる。ハシリから振るわず、日量は昨年の半分以下と盛り上がりに欠けている。
函館市水産物地方卸売市場の仲卸・有限会社丸善川原水産(岩館拓社長、電話0138・27・5125)は、魚食普及活動「プラスさかなプロジェクト」の一環で今年から自社商品の開発・販売に乗り出した。下処理済みや即食品で魚離れが指摘される若年層にアプローチ。「さかなから生活を+(たし)なむ」コンセプトで取り組む事業展開の進化に挑戦している。
5月に始まった枝幸漁協のタコいさり漁が苦戦を強いられている。日量300キロ以上の着業者も見られるが大半が100~200キロ台と昨年から半減。サイズは1尾平均6キロ前後で、同漁協市場では「型は良くなってきた」と説明する。一方浜値はキロ800円程度と高値基調。ただ着業者は「漁が薄くカバーできない」と残念がる。
えりも漁協冬島地区ウニ部会(岡部司志部会長、40軒)は、浜中式の養殖かごを使用し、バフンウニの蓄養試験に着手した。前浜から採取、給餌で身入りを向上させ、需要期に出荷し、収入の安定を目指す。昨年11月に投入し、今年2月に出荷した初回の成果に手応えを得て、今年はかごの増設を計画している。
ひやま漁協乙部支所ナマコ協議会の加工部門(日沼賢澄部門長)が製造・販売を手掛けるアカモクの商品が着実に浸透している。4月には江差町のアンテナショップ「ぷらっと江差」と鹿部町の道の駅「しかべ間歇泉(かんけつせん)公園」でパック詰めの販売を開始。日沼部門長は「売れ行きは好調」と手応えをつかんでいる。
日高管内の春定置(19カ統)は、本マス(サクラマス)が好漁だ。全域で昨年を大幅に上回るペース。ただ、浜値は昨年より安値傾向。一方、昨年は5月後半にまとまったトキサケが低調に推移し、着業者は盛漁期を迎える6月に期待をかけている。