近年回帰数の減少とともに成熟年齢の若齢化がみられている北海道のサケ。道総研さけます・内水面試験場では成長と生残や成熟との関係が変化してきている状況に着目、解析を進めている。成長と生残の関係では降海1年目の初期生残率が低下する一方、初期成長が上昇傾向で初期の高成長が生残の条件になっていることを示唆している可能性を推察。「変動する海洋環境がサケにとって厳しくなっている表れの一つ」との見解を示す。
函館市漁協のイカ釣船は主漁場を前浜(津軽海峡)中心に移して操業しているが漁模様は低調に推移している。水温も高く、着業者は「いけす出荷用として魚倉に入れたイカが弱り死んでいく」と影響を話す。
太平洋側の青森・岩手沖で好漁のスルメイカ。多くのイカ釣船が集まる中、道南・えさん漁協の所属船も八戸や久慈沖などで操業、型は小さいものの好調な水揚げで推移。今後もイカの北上に合わせて各地で操業していく。
厚岸漁協のアサリ漁は1月から禁漁期前に当たる7月上旬までの出荷量が昨年に比べ増産となった。全体で前年同期比11%増の989トン。キロ平均単価は5%高の739円と前年を上回った。着業者は禁漁明けの好漁況持続に期待している。
道南・黒口浜に位置するえさん漁協の天然マコンブは古武井・尻岸内両地区で採取。ただ、陸側の限られた場所にしか着生しておらず、着業者は「沖には全くない。少しでも資源が回復してくれたら」と願う。
ホタテと兼業でカキ養殖を手掛ける森漁協所属の株式会社イワムラ水産は、大型ブランド「秀峰牡蠣」の生産が昨年を上回り好調だ。一方、低水温の深場に垂下し産卵を抑え生食用端境期に水揚げする熟成ブランド「碧」(あおい)は、9月から順次出荷を開始する予定で、昨年の2倍となる10万個の生産を計画している。
留萌管内で養殖施設の水深帯温度が24、25度に上昇し、稚貝の仮分散や玉付け作業の遅れ、一部へい死も見られるなど影響が出ている。仮分散は約1カ月間中断している漁協もあり「水温が下がり次第、再開したい」と気をもんでいる。
余市郡漁協のウニ漁は8月末で終漁。出荷総数は8月23日までの累計で前年同期比7%減の5.2トン。金額は4%増の1億9297万円(税抜き)。前年同様に薄漁を反映し、赤(エゾバフンウニ)で2万円台の高値を形成した。塩水パック(1個100グラム)で出荷し、赤が19%減の448キロ、白(キタムラサキウニ)が6%減の4.7トンで推移した。
ひやま漁協乙部支所元和地区の町中漁業部・町中達成さん(34)は漁業を営む傍ら、キッチンカーで焼き団子の移動販売を展開している。養殖ホタテの大量へい死をきっかけに「漁業だけに頼らない収入源を」と、2023年1月から“兼業漁師”のワークスタイルに乗り出して3年目。今ではホタテ・岩ノリの新規需要獲得など本業・漁業に波及効果が生まれ、新展開への挑戦心も養っている。
サンマ漁の主力となる棒受網漁は15日から根室・花咲港で水揚げが始まった。昨年同様、中型船(100トン未満)・大型船(100トン以上)の解禁日を前倒し10日に小型船(20トン未満)とともに一斉出漁。公海操業で組成は1尾当たり130グラム中心と昨年のやせ型主体に比べ大きく、数量もまとまるなど期待が高まる漁況で滑り出した。22日は大型船23隻がバラ396トン、良型の発泡1412箱、冷凍217箱を水揚げ。浜値はバラの高値が1598円、発泡の160グラムが2484~1566円、150グラムが1620~1188円、140グラムが1728~950円、冷凍の高値が508円。