網走漁協ほたて養殖部会は、6日から稚貝の分散作業を開始した。採苗器の付着量は例年並み、ふるいの目合いは2分~1分3厘で仮分散。着業者は皆、「十分確保できる」と話し、10日ほどで終了した後、盆明けから本分散に移行する。
網走漁協所属・網走合同定置漁業(元角文雄代表ほか170人)の新定置船「第二十八北鱗丸」(19トン、アルミ)がこのほど竣工した。電子制御エンジンの搭載で燃費向上を図ったほか、船体の大型化、ブリッジの外板・内装などで操船性、作業性を重視。建マス漁から稼働を開始しており、秋サケ定置漁でも操業の効率化などで活躍が期待されている。
礼文島の天然コンブは自由操業で出漁、実入りや長さなど生育状況は漁場でばらつきがあり良質なものを探して採取している。ただ、総体的に来年採取対象となる若生いが厚く繁茂している一方、「今年のコンブが少ない」と着業者は口をそろえる。
道東沖のマイワシ漁が群れの薄さや餌不足などに起因するサイズの小型化で苦戦を強いられている。棒受網漁で操業する小型船と中型船の拠点港・花咲港の水揚数量が振るわず、漁業者に加え、根室市の水産加工業者も減産傾向を憂慮している。今年はサンマ漁の動向も見通しが立ちにくく、イワシ漁にかかる期待が大きいだけに、着業者は今後の漁模様に望みを託している。
歯舞漁協の夏コンブ漁が7月25日に始まった。採取対象のナガコンブは、渚中心に流氷で削られたこともあり総体的に繁茂状況は薄く好漁場に船が集中。水揚げは船間差があるという。
オホーツク海沿岸の7月末水揚量は、漁場造成を含め前年同期比11%減の16万2370トンとなった。計画達成率は56%。宗谷、猿払村、紋別が2万トン超え。日産数量は宗谷、猿払村が400トン台、枝幸、湧別、常呂が300トン台。歩留まりは12~13%台が大半、一部14%台まで上昇。組成は大型傾向となり大半が3S中心でSや2Sが続く。浜値はキロ平均200円台後半と高値基調だ。
羅臼漁協の一部の刺網船は船上活じめ出荷に継続して取り組んでいる。ホッケやサメガレイなど多魚種で展開。第三十三千代丸で操業する石田一美理事は「長く続けてきたことでだいぶ浸透・定着してきた」と実感。野じめを大きく上回る価格に付くなど高い評価を得ている。
湧別漁協のマス小定置が始まった。1カ統で70尾から多い日で150尾程度の水揚げ。浜値はキロ500円台前半と強含み。序盤は例年並みの漁模様でスタートしており、着業者は8月の盛漁期に期待を寄せている。
「前浜で進行している磯焼けに歯止めを掛けたい」……その強い思いから、森漁協元監事の山下良慈さん(66)は、天然マコンブが付着していた廃材パイプを改良し着生・生育実験を試みた結果、大きな成果を得た。「胞子が付着し生育することが確認でき、良好な場所では引き揚げられないほど伸びていた」と山下さん。この取り組みに協力していた株式会社森機械製作所(森光典社長)は、共同発案者として特許を申請。磯焼け対策に手応えを得ており、今秋から道内各地で試験導入する計画だ。
紋別市の株式会社ヤマイチ水産(栗山太社長、電話0158・23・5188)が市内渚滑町7に建設を進めていた新食品工場が竣工した。全自動魚体処理機などを新規に備え、冷凍魚肉すり身の原魚を迅速に1次加工処理する体制を構築。HACCPの基準に沿った衛生管理と併せて高品質・高鮮度のすり身の安定生産を図り、国内はもとより海外にも販売を進めていく。試運転を経て9月から本格稼働する。