株式会社永楽(大阪市、藤橋健太郎社長)が兵庫県西宮市内に構える店舗「苦楽園本店」は、「体においしく体にやさしく」をコンセプトに合成保存・着色料無添加商品を展開する。道南産天然真昆布が原料のつくだ煮や塩吹き「匠の昆布」シリーズが看板。その中で、使用する等級や部位、製法にこだわった半生塩昆布「最上昆布 生汐永楽」は自慢の逸品だ。
鹿部町の(有)嘉楽(辻合明男社長、電話01372・7・3489)は、熟成と脱水を同時に最適に仕上げる製法を開発した。うま味成分が濃く、鮮度、歯応えも兼ね備えた刺身商材を目指した挑戦が結実。日高の秋サケブランド「銀聖」を皮切りに、他魚種に応用、商品化を進めていく。
同社は、ニシン・数の子を主力にサケ・マス、いくら・すじこ・たらこ、刺身・とばなどを手掛け、年商117億円(平成26年3月期)を誇る。加えて、近年商品・販売戦略で力を入れているのが過熱蒸気による焼成商品だ。
過熱蒸気は、100度で蒸発した飽和水蒸気をさらに加熱した高温の蒸気。食品に吹き付け加熱することで、従来のボイルや焼成に比べてうま味や栄養分を逃さずに調理が可能。色目や食感も向上する効果が試験研究機関の実証試験でも確認されている。
(株)マルハニチロ北日本釧路工場(平野浩美工場長、電話0154・23・7421)は、サンマ、マサバ、マイワシの青魚缶詰で釧路産を前面に打ち出した商品を強化している。原料、製法など品質を高めた差別化商品で、首都圏の百貨店など高級志向の需要にアプローチしていく。
マイワシでは昨年1月に販売を開始した「釧路のいわし」(味付・味噌煮各150グラム)で、ことしは150グラムアップの生原料を使って製造。冷凍原料に比べ食感良く仕上がるほか、生臭みがなくうま味がさらに引き立つという。缶のとじぶたを従来の銀色から金色に換え、高級感をアピールしている。
昆布消費量全国トップクラスの富山。北前船の寄港地として昆布文化が花開き、今もなお身近な食材として親しまれている。中でも、昆布じめは江戸時代中期からの長い歴史があり、郷土料理の代表格。「サス(カジキ)」が定番で、どのスーパーにも常に陳列、酒の肴やおかずとして日常的に食されている。昆布じめ刺身の草分けで、専門メーカーの株式会社かねみつ(富山県魚津市、金三津貢社長)を取材した。
大阪府八尾市の有限会社浪花昆布茶本舗(大山喜隆社長)は、白口浜真昆布を原料にした昆布茶専門メーカー。人気の「昆布茶きざみ昆布入り」や「梅こぶ茶しそ葉入り」のほか、湯を注ぐと昆布を形抜きした「寿」の文字が浮かび上がる「寿茶」などアイデア商品も展開する。製造工場では衛生・品質管理を徹底。キッチンスペースを設置し、簡単レシピや新商品開発にも取り組んでいる。
加工販売など約30社でつくる「をぐら昆布系友会」(会長・山本博史株式会社小倉屋山本社長)は2日、大阪市立住吉区民センターでことし最後の「だしの取り方教室」を開いた。主婦ら参加13人に、一番だしの取り方や銘柄別の特長を教えたほか、だしがらの活用法も紹介、昆布の魅力を伝えた。
日本昆布協会(田村満則会長)は10月28日、大阪市内のホテルで例会を開き、8月上旬に実施した産地見学・交流会や本年度上半期消流宣伝事業について報告した。
名古屋市の大須商店街万松寺通りにある合資会社志那河屋(品川常吉社長)は、大正半ば創業の名古屋では数少ない昆布専門店。白口浜天然真昆布を原料に時間をかけて煮る自家製つくだ煮と、昭和初期から製造する酢昆布「鯱こんぶ」が看板商品だ。
名古屋市中央卸売市場(本場)の秋の道産鮮魚取り扱いは、厚岸や根室などの道東サンマが主役。荷造りや鮮度保持で評価が高く、人気商材となっている。
市場内に積まれた発泡詰めサンマは、北海道産のほか三陸など本州産も並び、発泡には産地の各業者名が明記されている。ある仲卸は「北海道産が人気で、特に数社は荷造りが上手」と話す。
三重県伊勢市にある㈱酒徳昆布(里村悟社長)は、平成24年に創業100年を迎えた昆布専門店。シンプルな味で、素材の良さを最大限に引き出す伊勢の「生なり文化」にこだわり商い。道南産真昆布が原料のおぼろは、創業以来注ぎ足しの酢で漬け前し、業界では珍しい若手職人が削るこだわりの逸品だ。
明治45年の創業以来昆布一筋に商い。おぼろやとろろから始まり、当初は卸主体だったが30年ほど前に小売中心に。おぼろ以外にもだしや昆布巻など各種昆布製品を販売するほか、伊勢神宮にも奉納。内宮前の「おかげ横町」ではおぼろ削りを実演販売する。