日本政策金融公庫が2008年度に創設した水産業経営アドバイザー制度。漁業経営改善支援資金や水産加工資金など融資の活用をはじめ、水産業経営に対する支援機能を担う。昨年3月に試験に合格した札幌市の弁護士、長友隆典氏(弁護士法人T&N 長友国際法律事務所・電話011・614・2131)は水産庁出身。水産関連の法令・契約にたけたスキルを生かし「最適な経営改善策を一緒に考えていく」と話す。
昨年12月下旬に閣議決定された国の水産関連予算は、2022年度当初予算が1928億円、北海道の赤潮対策に15億円などを盛り込んだ21年度補正予算1272億円を合わせ総額3201億円となった。前年度と比べ136億円の増額、補正・当初を合わせた総額は4年連続で3千億円台を確保した。漁業経営安定対策や不漁要因を解明するための資源調査を充実させるなど、環境変化に対応した持続的な水産業を推進していく。
北海道の漁業は昨年、イカや秋サケといった主要魚種の低迷が続いた一方、羅臼では定置網にサバが大量乗網するなど異変も起きた。北大名誉教授で函館国際水産・海洋都市推進機構函館頭足類科学研究所所長の桜井泰憲氏に海洋環境や気候変動に伴う資源状況や将来的な見通しについて聞いた。
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの四ツ倉典滋准教授は、昆布加工大手のフジッコ株式会社(神戸市)と連携、共同施設で育種の研究を進めている。道内を中心に100産地以上の培養株を保存、交配・交雑を行い、高水温や貧栄養といった環境耐性に優れる株を選抜していくなど長期的な視点で技術開発に注力している。
新型コロナウイルス禍で2020年に減速したホタテの海外輸出は、昨年の世界的な経済活動の再開と他国の生産減を背景に、玉冷アソートの大型組成も相まって大幅な回復を見せた。水産庁は海外のさらなる販路拡大を進めようと、ホタテに関わる関係団体で組織する「日本ほたて貝輸出振興協会」を設立。新規市場の開拓などに力を入れる構えだ。
近年続いている主要魚種の水揚げ低迷、コロナ禍による需要の減少や魚価安に加え、道東を中心に赤潮被害に見舞われた昨年の北海道の水産業界。その被害回復をはじめ気候変動への対応、資源増大や消費拡大対策などが引き続き求められている。年頭に当たり、道水産林務部の佐藤卓也部長と、道漁連の川崎一好会長に展望を聞いた。
マルハニチロ株式会社の池見賢社長は2日、東京・豊洲の本社で年末会見を行い、今年度の振り返りや中期経営計画の進ちょく状況、来年度の見通しについて語った。食品事業は想定以上に順調に推移するも、養殖や海外巻網事業に課題が残り、収支改善に向け立て直しが必要との認識を示した。来年度から始まる新中計では「企業価値をより高める」とし、現在策定中であることも明らかにした。
株式会社ニッコー(釧路市)の佐藤厚取締役会長が、北海道の経済・社会・文化などの発展に貢献した個人や団体を表彰する「令和3年北海道功労賞」を受賞した。
道知事による最高位の表彰で、1969年に「北海道開発功労賞」として制定。これまでに166人・15団体が受賞している。
ホタテ製品の輸出拡大を目指すため、生産、加工、流通・輸出事業者で構成する任意団体「日本ほたて貝輸出振興協会」が設立した。発足時会員数は34団体。会長に農水省国際顧問の野村一郎氏が就任した。事務局は道漁連が暫定的に務める。今後、会員相互の情報共有や商談・販路拡大、新規市場の開拓などに力を入れる。
株式会社帝国データバンク釧路支店が集計した釧路・根室管内の漁業・水産会社の2020年度売上高ランキングは、釧路市の株式会社マルサ笹谷商店が11年連続のトップとなった。上位100社の売上高合計は前年度比7.6%減の1813億7400万円と2年連続で減少し、2003年度の集計開始以来最少。秋サケ・サンマの記録的不漁や新型コロナウイルス感染拡大による外食需要の落ち込みなどで約6割の企業が前期比減収となった。