網走市の有限会社牛渡水産(牛渡正敏社長、電話0152・44・5084)は、1尾丸ごと盛り合わせた甲羅盛りでオホーツク・網走産毛ガニを売り込んでいる。交流サイト(SNS)のフェイスブックで拡散、ネット販売の注文が増えているほか、網走市のふるさと納税の返礼品でリピーターをつかんでいる。
下北半島の西南、むつ市脇野沢村で焼き干し生産が最盛期を迎えている。定置漁獲のカタクチイワシ(セグロ)などを天日干し、炭火焼きする伝統的加工品で、うま味が濃縮され煮干しの数倍のだしが取れる。だが、今季はメーンのセグロが減り苦戦気味だ。
六次産業化に特化した展示会が千葉県の幕張メッセで12~14日開催された。食品機械、厨房機器メーカーの出展が目立っていた。農業向けをメーンとする展示会だが、水産関連でも活躍している機器が目白押し。それぞれ得意の技術を披露し、生産者の「加工」を後押しする提案を行った。
斜里町ウトロの株式会社ユートピア知床(上野山文男社長、電話0152・24・2306)は4年前からサケ加工品を中心に卸販売を手掛け、知床産を発信している。直営店や通販など従来の直販で生み出した素材の風味を壊さない商品づくりが認められ、ギフトや業務筋などの販路を獲得。独自の調味料も新たに打ち出し、生食や切り身など加工品との組み合わせで商品力を高めている。
スーパーやコンビニでトレーを使った水産加工品が存在感を大きくしている。特にコンビニで販売される焼き魚などではMAP(ガス置換)包装が増えてきており、鮮度保持の観点から今後さらに導入が増えていくとみられている。
道漁連と道水産林務部は1日、北海道産のブリ、秋サケ、昆布、ホタテなどを使った空弁(空港弁当)の「北海道お魚弁当」=写真=を、新千歳空港の売店で販売開始した。魚食普及キャンペーンの一環。道民や国内外の観光客に照準を合わせ、道産水産物の需要拡大を狙う。
函館市の有限会社坂井商店(坂井雄二社長、電話0138・47・3009)は、南かやべ漁協の定置網業者と二人三脚で神経じめでの高品質出荷に取り組んでいる。同社の坂井貴博専務が自ら船に乗り込んで選別、神経じめなどを実施。水揚げから出荷までの工程を一つ一つ見直し、魚に与えるストレスを最小限に抑える工夫を積み重ねている。提供先の飲食店からの評価は高く、道内外をはじめ海外の料理店からもリピート注文を得ている。
寿都町の株式会社山下水産(山下邦雄社長、電話0136・62・2023)は昨年来、レトルト食品の商品展開に乗り出した。水産具材の炊き込みご飯の素=写真=とスープの2種類を投入。従来、冷凍・冷蔵品がメーンで、保存性の高い常温品は新分野。台湾輸出など新たな販売チャネルの開拓につなげている。
ISF合同会社(札幌市、代表取締役・長尾春恵、澤井昌子)、西日本貿易株式会社(弓田太社長)は、抗がん作用が注目されるナマコの含有成分を新製法で無菌粉末化、健康食品・薬品向けに販売に乗り出した。国内外の製薬・食品会社から引き合いも得て、西日本の離島で取り組む完全養殖を基盤に量産化を進めていく。
札幌市の漬魚・味付切り身メーカー・株式会社丸加水産(須田公隆社長、電話011・766・1131)は、「銀ひらす」の生産販売量を伸ばしている。原料の品質にもこだわって商品開発を強化。昨年来「銀だら」、「銀ガレイ」などの代替品で注目度が高まり引き合いも強く、今年は大幅増産を目指す。