【アメリカ・ニューベッドフォード=松本名司】世界有数のホタテ漁獲量を誇る北米東海岸は、全米で95%の水揚げを占める一大ホタテ生産地。主要漁業基地の一つ、マサチューセッツ州のニューベッドフォードで、確立された資源管理状況や今後の漁獲見通しを取材した。北米ホタテガイ協会のロス・パーシュ会長は、産学官が一体となった計画的な漁獲体制を強調。より厳しい漁獲制限を設けた2年間の自主規制を経て、漁獲量はことしから回復する見通しを明らかにした。
昨年12月からことし1月に低気圧による大しけが襲ったオホーツク海沿岸で、ホタテが大量に死滅しているもようだ。ある漁協は3~5割の減産を覚悟。全容は見えていないが、関係者は大きな不安を抱いている。
青森県陸奥湾の半成貝出荷が4月から始まる。今季も増産見込みで、昨年実績の2割強、約9000トン多い4万5000トン前後の水揚げを計画している。初入札は3月30日。
加工貝(2年貝)の水揚げが本格化している噴火湾では、今季も両貝冷凍輸出が旺盛だ。浜値は値下がり傾向にある中、需要が低迷しているボイルの生産量は、今季も両貝冷凍の輸出量と浜値の動向に左右されそうだ。
噴火湾渡島側の加工貝(2年貝)入札は依然、キロ250円前後で推移している。3月から砂原・鹿部漁協も水揚げ開始。6単協がそろって本格操業に入った。一週目の日産数量は約1500トンまで増えている。
ことしのオホーツク海けた引漁は、6日の枝幸漁協を皮切りに順次、開幕する。今季の計画量は28万4400トン。このうち漁場造成は1万4000トンの見込み。1隻減の161隻で操業する。
総務省の全国家計調査によると、昨年1年間で一世帯当たり(2人以上)が購入したホタテの数量は、平成15年以降最低の500グラム台となり、ピーク時から6割も減少した。100グラムの平均単価は200円の大台を突破。急激な価格高騰が消費減退につながったとみられる。
岩手県、広田湾漁協広田支所のホタテ新貝(一昨年採苗貝)出荷が16日、始まった。順調な成育でへい死はないといい、大サイズ(殼長11センチ以上)は12センチ前後が主体。価格も良好だ。例年と同様に県南部の他産地に先駆けた新貝水揚げで、2月下旬からは1日4トンペースに拡大した。
いぶり噴火湾漁協の加工貝(2年貝)出荷が追い込みに入った。計画量に対する15日現在の進ちょく率は45%。2月下旬から日産300~400トンを水揚げし、3月にピークを迎える。一方、稚貝の成育は順調で、大半の漁家が稚貝出荷や耳づりに影響がないものとみている。
森漁協の養殖ホタテ2年貝は、本年度の計画数量(1万8000トン)の達成に不安の声が上がっている。ザラボヤの付着が深刻で成長の鈍化やへい死が多いため。同漁協の内山善朗理事は「12月までは期待できたが1月からは成長が予想以上に遅れている」と話す。一方、単価は1月からキロ200円台と高値で推移している。