水揚げの最盛期に入ったオホーツク海ホタテけた引漁。主力製品の玉冷は輸出が動き出し、大型サイズにオファーが出始めている。減産の影響で浜値はキロ250円前後と高騰。国内消費は昨年より鈍く、業務筋や量販店は厳しい販売を強いられている。
オホーツク海北部地区のけた引漁は、空貝が目立つなど4単協とも厳しい水揚げを強いられている。今季は北部合計の当初計画12万7900トンから約4万トン減の8万9200トンに下方修正。歩留まりは徐々に上がっているが水揚量は低調で、浜値は200円台と高騰。着業者は今後の水揚げに不安を抱えながら操業している。
青森県はこのほど、本年度陸奥湾養殖ホタテガイ春季実態調査結果を公表した。平成26年産の成育状況は5年ぶりに回復し平年値とほぼ同じ数値が示された。半面、収容枚数は調査を始めた昭和60年以降最も多く、同県では早急に適正化するよう求めている。
いぶり噴火湾漁協の残存貝は、6月30日現在で豊浦支所が日産40~50トン、虻田本所が18トンペースで出荷。浜値はキロ370~350円と依然高水準だ。
缶詰向けに出荷される今季の残存貝は6月上旬から始まり、全地区合わせた計画量は昨季比23%増の1240トン。出荷は7月末まで続く。
根室海峡5単協共同海区と野付単有の操業が6月12日までに終漁し、野付漁協の水揚金額は過去最高の85億8000万円となった。前年同期比で92%の増。ハシリから活貝中心に輸出が好調で終盤には一時、キロ500円台を突破。同13%増の2万5600トンを水揚げ。
道ほたて漁業振興協会(阿部滋会長)は本年度、国内消費の底上げに向けた対策とともに、海外での販促を強化。生鮮、冷凍、干貝柱の商材別と米国、EU、東南アジア諸国などエリア別の方針を具体的に策定し、さまざまな媒体や空間を有効に活用する。18日、通常総会で決めた。
噴火湾8単協(室蘭・いぶり噴火湾・長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部)で組織する噴火湾ホタテ生産振興協議会(会長・大林弘志八雲町漁協組合長)は耳づりをイメージしたホタテのロゴを作成しブランド化を目指す。来年3月の北海道新幹線開業を見据え沿線道路8カ所に看板を設置し、バスなどで移動する観光客にアピールする狙いだ。
オホーツク海のけた引漁本操業は北部に続いて南部でも紋別、佐呂間、常呂の3単協を皮切りに始まった。値決め交渉も全域で順次スタート。佐呂間・常呂の初回は昨年より63円高のキロ193円、頓別は54円高の192円と高騰。枝幸は造成分で210円を付けており、大幅な減産計画が高水準の一因とみられる。
道漁連は4日、冬場の大シケで被害を受けたオホーツク海沿岸のホタテの本年度生産計画量について当初計画より25%、7万2550トン減の21万9095トンに下方修正した。過去10年間で最低の生産量。製品市況や玉冷の内販などに影響を及ぼすのは必至の状況だ。
道水産物荷主協会(宮崎征伯会長)主催の第21回全国ホタテ大手荷受・荷主取引懇談会が5月27日、ロイトン札幌で開かれた。昨年同様に輸出主導の高値形成に危機感が漂う中、ボイル製品を取り巻く環境では荷受・荷主間の商談方法に対する検討の必要性を指摘。一方、オホーツク海の減産で玉冷相場の見通しは立たず、輸出と内販のバランスを重視しながら事態を静観する意見が多くを占めた。